■「それってまさに、人形だ!」
――今回の公演の内容についても、少し聞かせてください。
上原 10年前、4年前と、これまでの公演は、ロック座のスタッフさんたちに全部お任せで、公演内容にはタッチしていなかったんですが、今回はこれまで私が携わってきた事業での経験を生かしながら、みんなと一緒に公演を作り上げたいと思って臨んでいるんです。
コンセプトや演目をロック座さんと一緒に考え、自分が作りたいグッズを作ったりもしています。これで最後にしようと思っているから、集大成として思いを込めています。
――公演の名前の『ドールズ』ですが、ここにはどんなこだわりが?
上原 私のラブドールブランドの『ドール』をモデルにメインビジュアル作りました。ドール……人形って会話できないじゃないですか。でも、みんなに愛されていて、伝わってくる思いもある。
私はロック座もそれと同じだなと思っていて。言葉が通じなくても体で表現すれば感動を与えられると思うし、音楽や照明、衣装、すべてにこだわっているので、言葉、目、耳……にどんな不自由があったとしても、この空間から雰囲気は伝わるものだと思っていて。「それってまさに、人形だ!」と思ったんです。
――これまで上原さんが培ってきたものすべてが詰まった公演になりそうです。これもまた、実業家としての事業の一環という印象を持ちました。最後に、実業家としての仕事をやっていて、どんなときが楽しいかお聞きしたいです。
上原 事業を起こすのはとても大変ですけど、周囲のスタッフやお客さんが幸せそうにしてくれたら、とても嬉しく感じるんです。それが楽しい。
セクシー女優時代は自己プロデュースしないと生き残れない仕事だったんですが、そのときの感覚が今の事業展開に生きている気がします。
よく、引退後の女優さんから「これからどうしよう?」という相談をされることがあるんですが、そんな人たちに、「こういう道もあるんだよ」という道しるべになれればなと思っています。そんな私の姿をぜひ、ロック座でも見てもらいたいですね。
取材・文/有山千春
上原亜衣(うえはら あい)
1992年11月12日生まれ。2011年にセクシー女優としてデビュー。2013年にDMMの年間AV女優ランキングで1位[9]、2014年にDMMアワード2014で最優秀女優賞プラチナを受賞するなど絶大な人気を誇り、2016年に引退。2019年にYouTuber、インフルエンサーとして活動を再開し、活躍。現在は国内外を跨いで会社を経営するなど、実業家としても活動している。