■ロボット判定は大谷に有利か…

 一方、岡本が入団するブルージェイズはカナダ・トロントの球団で、ワールドシリーズ準優勝となった昨季のア・リーグ覇者。

 リーグトップのチーム打率を誇る打線には、一塁手のゲレーロJr.(26)をはじめ強打者がズラリと並ぶ。

「開幕は気負わず打てる7番サードが濃厚と、状況的にも彼には追い風。トロントも当然、寒いですが、本拠地ロジャーズ・センターは開閉式ドーム。気候の心配はありません」(前出の大リーグ評論家の福島氏)

 唯一の懸念材料は2023年の大改修で、球場自体が“打者有利”から一転、ホームランが出にくい“投手有利”になったことか。

 21年に大谷に競り勝った本塁打王のゲレーロJr.も、昨季は23本塁打と、30本にも届いていない。

「21年は48本中31本を本拠地で放っていたんですが……。とはいえ、彼は強打者では珍しい三振の少ないタイプで、岡本と似たタイプ。いいお手本です」

 他方、2人に先んじて活躍の大谷&鈴木は、今季も変わらず打線の中心。とりわけ、鈴木は同僚であるカイル・タッカー(29)のドジャース移籍でDHも“卒業”。4番・ライトでの出場が有力だ。

「30本塁打&100打点に乗せた昨季終盤戦も、守備から出場した試合のほうが成績は良かったですから、彼にはプラス材料。

 一時、打点トップにも立った序盤の勢いが持続すれば、大谷とのタイトル争いも期待できそうです」

 今や不動の“MLBの顔”となった大谷には、4年連続MVPや60発&2ケタ勝利などの“史上初”達成が期待されるが……。

「カブスより新加入のタッカーが2番に入れば、申告敬遠は大幅に減る。

 不満げな表情を見せることもあった外角低めのストライク判定が、今季導入のロボット審判で、どう変わるかも注目すべきポイントです」

 異次元すぎる大谷は別としても、吉田正尚(32)を含めた野手は、4人全員が侍ジャパンで4番経験のある球界屈指のスラッガー。

 イチロー以降も続く「野手は成功しない」の定説も今や昔となりつつある。

「カギは年々、球速が上がっている直球とスライダーに対応できるか。村上と岡本が前評判通りの活躍を見せれば、史上初の“日本人野手30発カルテット”も夢ではありません」

 大リーグの開幕は3月25日(日本時間26日)。その前に始まるWBCから、寝不足の日が続きそうだ。

福島良一(ふくしま・よしかず)
スポーツジャーナリスト、メジャーリーグアナリスト。千葉県出身。学習院高等科、中央大学商学部卒業。大学在学中から主としてメジャーリーグの評論・取材を行っている。主な著書に『日本人メジャーリーガー成功の法則 田中将大の挑戦』(双葉社)『もっと知りたい!大谷翔平 SHO-TIME観戦ガイド』(小学館)など