■改善されないレースクイーンたちの環境、原因とは

――警備体制が甘いですね。運営側の管理が甘いのは、レースクイーン業界ではよくあることなのでしょうか?

「レースクイーンは棲み分けみたいにされてるところがあって。やっぱり、レース中はレースがメインなので、“ちょっとそこで待っててね”みたいな感じで横に置かれることが多いんです。それに1チームにレースクイーンって基本4人なんですよ。コントローラーさん(マネージャーのような役割の人)も1人で私たち4人を見るってなると大変じゃないですか。何かあってもコントローラーさんも一気に4人は見られないし、隙が多いなとは思います」

――すべてのチームがそうではないとは思いますが……。働く現場で不安を感じることはありますか?

「もちろん、ちゃんとしてるチームだってありますよ。カギ付きの控室をレースクイーンに用意しているチームだってある。一方でテントみたいなところが控室なんてチームもあるわけです。

 それにファンの人も簡単にピットにまで来れてしまう。こういう距離の近さが親しみやすさにつながっているのかもしれませんが、レース場でファンの方との距離が少し近すぎるなと感じることも少なくありません」

――ファンあっての競技ですが、そこの距離が近すぎると難しくなるということですね。

「そうなんですよね。応援してくれるのは嬉しいし、ありがたいんですけど、会場から帰るときにも同じ電車の同じ車両に乗ってくるファンの人とかもいるんです。プラットフォームで時間を潰していても、私が電車に乗るまで待っている人とかもいて……。この前も撮影会にいらっしゃった方に“この前、○○駅にいましたよね”って声を掛けられて、ちょっと怖かったですね」

――ご友人のレースクイーンやモデルの方も同じような経験をされているのでしょうか?

「そうですね。友人にも結構相談はしていて皆、話を聞くと同じような境遇に遭遇はしているみたいなんです。だから、キャップを被ってマスクをしてみたいな形で外出するときは変装をしてはいるんですけど……」

――大変ですね……。瀬名さんは格闘技イベントの『K-1』にもラウンドガールとして出演されていますよね。そちらと比べてレース業界に問題点を感じることはありますか。

「ラウンドガールだと、待機場もリングサイドで、控室も別で用意されてスタッフさんが常駐しています。競技が違うので一概に比較はできませんが、働く環境は大きく違います」

――業界内で変わった方が良い部分や変わる必要がある部分もあるのでしょうか?

「レースクイーンって業界内では試合の前後を盛り上げる賑やかしって見られてるんだと思うんです。一方でラウンドガールだと試合の途中にリングに上がる。次が“第何ラウンド”かを告げる役割の人、試合に携わる一員という形だと思うんです。試合形式が違うので一概には言えませんが、見られ方や役割が少し違うのかなとは思います」

 取材の最後に、「こういった意見を話すとこの子使いにくいなって、業界内で思われてしまうかもしれないんですけど」と、漏らした瀬名さん。時代の変化とともに、レースクイーンやコンパニオンの業界内での立ち位置も考え直す時期に来ているのかもしれない。

【前編】「下半身だけ撮られてました」『東京オートサロン』盗撮被害告発が波紋、レースクイーンが語る「現場の真実」では、会場で盗撮被害を告白したレースクイーンの瀬名ひなのさんが事件が起きた当日の様子を語っている。

瀬名ひなの
青山学院大学英米文学科2020年卒。小学校をニューヨークで過ごした帰国子女のため、特技は英語。趣味は海外旅行。ミスブライダルモデルグランプリ2019関東グランプリ。テレビ朝日系列「そんなコト考えた事なかったクイズ!トリニクって何の肉!?」出演。ミス湘南2021グランプリ。ミスワールド2021審査員特別賞。