日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、戸田氏が注目したのは、スマホでサイトを見ればどこにでもある「ポイント」についてです。このポイント、はたして本当に“お得”なんでしょうか。

 スマートフォンを開けば、そこには無数の「ポイント」の誘惑。アンケートに答えれば数ポイント、動画を視聴すればさらに数ポイント、そんな「ポイ活」は今や私たちの生活の隙間を埋める存在として定着しました。

 かつては節約の知恵として親しまれてきたこの行為も2026年の現在、いつのまにか「デジタル労働」へと変わりつつあるようです。

 一見するとお得に見えるこの活動、その実態は時給に換算すると驚くほど安い対価です。それにもかかわらず、貴重な人生の時間を切り売りする中毒的なループに陥っている人は少なくありません。

 MMD研究所が実施した「2025年12月ポイント活用に関する調査」によると、ポイント経済圏を意識している人のポイント活用率は96.9%に達し、もはや全世代的なインフラと化しています。

 さらにGMOメディアの調査では、ポイントサイト利用者の80.4%が「毎日利用」と回答。利用者の約半数が月間で1000円分以上のポイントを貯めており、5000円以上を稼ぐ猛者も約10%いるようです。

 どうやってポイントを貯めているかという設問では、アンケート回答、ネットショッピング、動画視聴が上位を占めていますが、とりわけ若年層や主婦層においては、1円相当のポイントを得るために数分も費やす行為を一日中繰り返し、気がつけばひと月に20時間以上をポイント獲得のために浪費しているケースも珍しくありません。

 自分の意思でやっているはずが、実はスマホの中でいいように利用されているという現実に、ネット上でも、

《朝から晩までアプリのボタンを押し続けて、月数百円にしかならない現実にふと虚しくなった》
《ゲームをしているつもりが、いつの間にか広告を見せられるだけの苦行になっていた》
《家族との時間よりもスマホのログインボーナスを優先してしまう自分が怖い》

 といった、悲鳴に近い声が聞かれます。