■軽くて見やすいがこれからのトレンド?
その一方で、《手術創部(オペしてる傷口)が漫画になるのは予算が足りないのかな》《設定は面白いのに医療現場の解像度低すぎてがっかり》など、安っぽさを指摘する声も少なくない。たしかに、オペシーンなのに、湖音波たちがしているマスクが医療用ではなく一般的なものだったり、各所に低予算を思わせるシーンはあった。
患者の手術方法をめぐって湖音波(橋本)と神崎(森崎)が対立するも、最後は力を合わせて難しい手術を乗り越える。今回のラストで、湖音波が尊敬する脳神経外科部長・中田啓介(向井理/43)に紹介した患者が転院後に亡くなるという、医療ミスの疑念が湧きあがる本筋が見えてきて、医療ドラマとしてのパターンを確立。本作は、とにかくわかりやすいのが特徴だ。
一方、医療ドラマとして一応のポイントは押さえているが、医療ドラマによくある医療界や院内の闇は出てこないし、手術シーンはアニメで割愛されるし、予算の関係かロケもほとんどない。今回も病院とバイクショップがメインで、とにかくB級感が強いが、それでも視聴率や配信で及第点の数字が取れている。ハシカンファンの支持もあるだろうが、それだけではないだろう。
X上には《真面目に観るドラマじゃなく医療ギャグドラマだ。ドクターXと違って物凄く金の掛かってない(予算削減)ギャグドラマだ》というポストもあるが、これこそフジ側の狙いではないだろうか?
配信での視聴が定着し、ドラマをスマホで楽しむことが一般化。通勤や通学の途中、スマホで手軽に見られるコンテンツは需要が増えている。と、分かりやすくて軽い内容の本作はそこにハマったようで、配信サービス・TVerのお気に入り登録数は70.1万(6日午後3時現在)と、今期の民放連ドラ部門で4位(シリーズものを除く)につけている。
ドラマとしては確かにB級だが、あきらかにお金がかかかっていないことを考えると、この数字はビジネスとしては成功していると思われる。今後は本作のような低予算で、そこそこの数字を狙うドラマが増えるかもしれない。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。