■緒形直人らイケオジで固めたサブ陣も魅力
22年放送の話題作『エルピス』(カンテレ制作・フジテレビ系)を思わせる硬派な内容で、単純に事件解決して“めでたしめでたし”で終わらせないところに、制作側の誠意を感じる。X上でも、《被害者の実名報道の是非を問う回。単にメディアを悪者にするだけではなくもう一歩踏み込んだ描き方だった》など、内容、姿勢に言及する声が多い。
主演の福士もいいが、なにより脇を固める共演陣がいい。女性キャラは吉川愛(26)ぐらいで、あとは渋い実力派イケオジをそろえている。緒形直人(58)に竹財輝之助(45)、津田寛治(60)、吉原光夫(47)、金子など、本筋は硬派な刑事ものとして締めつつ、彼らのわちゃわちゃも見せて癒やす、硬軟自在の演技はさすがだ。
報道のあり方を問うという点では、25年放送の『キャスター』(TBS系)もそうだったが、あちらは結局、巨悪に挑む日曜劇場ならではの展開だった。一方、『東京P.D.』は被害者、報道、警察と、それぞれのスタンスを丁寧に描き、視聴者に問いかけてくる。その丁寧さが支持を伸ばしている理由だろう。
視聴率、配信の数字こそ地味だが、TVerの最新回“いいね”数(9日午前8時現在)はじわじわと伸びていて1.5万。ドラマ部門4位の月9ドラマ『ヤンドク!』(フジテレビ系)に0.1万差と迫っており、本作は今期イチのダークホースのようだ。2月24日放送の第5話では誘拐事件の報道協定が描かれるが、どんな展開を見せるのか、期待だ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。