■温暖地域生息の動物は?天候や生態によって柔軟に対応
北国から来たホッキョクグマにとって、こうした環境で飼育されることは苦ではないのだろうか。そのための対策を尋ねると──。
「昨夏は7月16日から9月15日まで、展示場と涼しい寝室を自由に行き来できるようにして展示を行い、お客様には事前に告知していました。この期間以外でも、当日の気温やホッキョクグマの体調次第で、同様の対応をとっています」(担当者、以下同)
降雪にホッキョクグマが喜ぶ一方で、アフリカなどの温暖な地域を生息地とするゾウやキリン、ライオンといった動物が、この日の天候に耐えられるとは思えない。実際、同園は降雪があった2月8日にX上で《本日アフリカのサバンナゾーンの草原エリアは、積雪の影響で、動物の展示をお休みいたします》とアナウンスし、翌日も同様の措置をとっている。
この判断の理由を尋ねると、
「今回の積雪に際しては、温暖な地域に生息する動物たちが過ごしづらくなることを避けるため、展示をお休みしたり、寝室と展示場を自由に行き来できるようにしたりしました。
温暖な地域に生息している動物と雪や寒さの関連ですが、雪が降ることで動物が濡れたり、凍って足場が悪くなるなどはありますが、雪が降るほどの寒さ、気温の低下による影響が大きいです。寒さによって動物が体調を崩すこともあります。動物種によって異なりますが、春や秋は比較的過ごしやすい季節と言えるでしょう」
ホッキョクグマに限らず、それぞれの動物に合わせて柔軟な飼育方法を実践しているようである。
なお、『よこはま動物園ズーラシア』の担当者によれば「白い雪の上ではホッキョクグマは目立たず、獲物をとらえやすい」とのこと。同園で飼育されているホッキョクグマのイッちゃんが雪の上で無邪気に喜んでいたのは本能による影響も大きいのかもしれない。今回の降雪で偶然、自然環境での暮らしに近づいたホッキョクグマのイッちゃん。投稿動画を通して見せた姿こそがイッちゃんの自然体なのかもしれない。
横浜市立よこはま動物園
通称・よこはま動物園ズーラシア。生命の共生・自然との調和」をメインテーマに掲げ運営。神奈川県横浜市旭区にある動物園。開園は1999年。