■江口のりこ役を原作改変したわけ

 4人の同級生の過去と現在をじっくり描いている本作。今回は直人役の渡辺の演技が光っていて、X上では、《画面から伝わる緊張感と熱量がすごくて見入った、面白かったー!!直人が淳一に対して抱える憧れも嫉妬もお前の罪を知ってるぞというマウント的なものも全部伝わってきた》などと、称賛の声が寄せられていた。

 たしかに熱演ではあったが、物語自体はあまり進まなかった。同原作はかつて、フジテレビ系で2時間ドラマとして放送された。それを全9話分に伸ばしているので仕方ないが、どうしても間延び感が出てしまっている。キーパーソンと目されている署長・小杉(段田安則/69)や淳一の恋人・博美(北香那/28)が絡んでくれば盛り上がりそうだが、それはおそらく物語の山場であるため、しばらくは焦れったい展開が続きそうだ。

 また、原作では男性だった南良のキャラが女性に改変されているが、おそらく江口を起用することで、クセのある演技で視聴者の目を引きつけ、間延び感を軽減したかったのだろう。さらに、万季子(井上)の同級生たちに対する思わせぶりな描写が目立っていたが、これも同じ理由だろう。しかし、その効果はもうひとつだったようだ。

 連続ドラマではなく2時間ドラマ、あるいは2時間SPの前後編だったら、印象は違ったかもしれない。次回、直人(渡辺)によって、23年前に淳一(竹内)が拳銃で人を撃ったことが明かされたことで、幾重もの嘘で覆い隠された秘密がひも解かれていくようだ。後半のスリリングな展開に期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。