■『ばけばけ』制作統括の発言は?

 明治初期の変革期に人々が新たなあり方を探し、見つけていくのがこのドラマの根幹だ。今週は松野家の熊本移住という、新たな変化を前に戸惑うトキ(高石)たちの姿が描かれた。視聴者の間で、トキとダブルヒロインとも言われている錦織(吉沢)にも、ヘブン(トミー)の思いが伝わり、ようやく次週から熊本編が始まる。

 ヘブンを支える人物として、常にトキと並行して描かれてきた錦織。松江編が終わる前から“錦織ロス”を不安視するファンも多く、熊本編で吉沢が退場するかは、視聴者の最大の関心事だった。はたしてどうなるか……。

 13日放送の第95回は、錦織が咳き込んで喀血する衝撃のラストだったが、モデルの西田千太郎も結核で急逝しており、物語のどこかで完全退場するのは間違いない。ただ、同日放送の『あさイチ』では吉沢が「まだ出ます」と発言。そこから考えると、しばらくは病気を抱えた状態での登場が続きそうだ。

 小泉八雲と西田千太郎の絆は厚かったという。記録を見ると、小泉が熊本から西田に送った手紙は3年ほどで37通。神戸、東京に移ってからが15通なのを考えると、かなり頻繁。これだけの数を考えると、西洋化が進んだ熊本に不満を持ったヘブンが送る愚痴手紙を、錦織が苦笑いしながら読むシーンは、十分にありそうだ。

 それと同時に、ヘブンがいなくなった松江で、あらたな生活を始めた錦織も描かれるはず。制作統括の橋爪氏は取材会で、「トキとヘブンと錦織はもう一度また会います」「彼が本当になりたかったものは何なのかということもこの先、描きます」と発言しており、頻繁に出ることはないが、完全退場とはならないようだ。

 次週からトキとヘブン、司之介(岡部たかし/53)とフミ(池脇千鶴/44)の熊本での新生活が始まる。これまでとは異なる環境で、新たな出会いが描かれる中、遠く離れた松江での、トキ、ヘブンに次ぐ重要人物・錦織の今後に注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。