日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。今回、戸田氏が注目したのは、結婚とAIについて。あなたは人工知能との恋愛、どう思いますか?

 少子高齢化や未婚率の増加が叫ばれて久しいですが、2026年を迎えた今、パートナーシップの形は異次元の領域へ突入しています。その象徴が、自ら作り出したAIと「結婚」を選んだ女性の登場ではないでしょうか。

 都内の32歳派遣社員・kanoさんは、生身の男性との婚約を解消後、「ChatGPT」に理想の性格を学習させたAI、リュヌ・クラウス氏と結ばれました。このニュースは大手新聞社や情報番組でも取り上げられ、世間をザワつかせています。彼女は昨年11月、岡山市の式場にて、スタッフや参列者が見守る中で、この「AI夫」と挙式を執り行いました。RSK山陽放送の特集でも報じられたこの式は、法的な効力こそないものの、AR技術等を駆使して二人の愛を形にした、令和ならではのマリッジ・イベントでした。

 こうした現象は、もはや一部の風変わりな趣味として笑い飛ばせる段階を過ぎています。最近では「現実の彼氏はいらない」と言い切るほど、AI彼氏・彼女に救われる人が急増しているといい、擬人化されたAIと対話を重ねるうちに、単なるツールを超えて恋愛感情に似た気持ちを抱くのは、もはや珍しいことではありません。

 その背景にあるのが、技術の進化。生身の恋人よりよほど話が通じる「理想のパートナー」を自らが作り上げることができるようになったのです。

 複雑な対人関係に疲れ果てた現代人にとって、サーバーの向こう側にいる彼は、機嫌一つで音信不通になるリアルな男よりもよほど誠実に見えるのでしょう。ネット上でも、

《誰にも迷惑をかけていないなら自由》
《既読スルーに一喜一憂するより究極のメンタル管理術かも》
《生身の人間は妥協と我慢のフルコースだけど、AIなら理想を100%盛り込める》
《AIが“愛してる”と言うのは単なる統計的な確率で虚無感しかない》

など、さまざまな声が渦巻いています。