6回にわたってお届けした貴乃花と漫画家・板垣恵介氏による真剣対談も、今回が最終回。最強格闘家談義から、喧嘩が強すぎる親方へと話は広がり――。 《#1はこちらから》《#2はこちらから》《#3はこちらから》《#4はこちらから》《#5はこちらから》
――前回は最強のボクサーについて、トークが盛り上がりましたが、他の競技で強いなと思う人とは?
貴乃花:柔道金メダリストの山下泰裕さん。うちの親父は山下さんが力士になっていたら、間違いなく横綱になっていたと言っていました。だって、山下さんがバリバリのときの柔道を見たら、相手が投げに来たらポンと潰して終わりでしょ。太刀打ちできないとは、このことかと。
板垣恵介氏(以下=板垣):体重130キロの選手を押さえ込んでましたよね。山下さんは120キロぐらいだから、明らかに一回り以上大きい相手なんだけど、山下さんが上に乗るだけで返せない。なぜかと聞いたら、押さえるところを押さえているんだと。山下さんは、それができるんだと。
貴乃花:力士もそうなんですけど、実力が上に行くほど、腰がしっかり重いんですよ。体重は関係ないんです。
板垣:だから、投げられない。
貴乃花:そうです。柔道の場合は反動を利用して投げたりとかするから、押してから引いて投げたりしますけど、相撲の場合は引いたらダメ。そこは明らかに違いますけどね。
板垣:柔道の言葉で、「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」というのがあるけど(※全戦無敗、史上最強の柔道家と言われる木村政彦を指す言葉)、山下さんが出てきて変わったといいます。「木村の前に木村なく、木村の後に山下あり」と。
貴乃花:ちなみに、ロシアのプーチン大統領は親日家で、柔道をやっているのはご存じですか?
板垣:講道館にも来たんですよね。そこで、全日本柔道連盟の会長だった山下さんと乱取りをした。それで講道館六段の帯をもらったんだけど、そのときにプーチンは、「私は、柔道をやり込んだ人間だから六段の実力が、どれほどのものか知っている。だから、この帯の力に少しでも近づくために努力を続ける」と、そんなステキなことを言った。
貴乃花:日本人で、プーチンさんと直接電話でやりとりできるのは山下さんだけらしいですよ。
板垣:本当に? それは、すごい。接待柔道が効いたんだな(笑)。