■口内が不潔な状態なら伝染病にかかりやすい

「虫歯や歯周病が進むと菌が血流に入り、糖尿病の要因になるといわれています。また、腎臓の病気や、がん、心筋梗塞など全身の病気につながっていくと考えられてもいます。また、口の中が不潔な状態だと、インフルエンザのウイルスが体内に入りやすくなります」(石井氏)

 その他、デンタルケアは誤嚥性肺炎、脳卒中、認知症、寝たきりなどの予防にもなるといわれている。「食事をする以上は、口内での菌の増殖は避けられません。ですから、なるべく菌を減らしていくということに意識を傾けていくといいと思います」(同)

 では、タバコや酒の影響はあるのだろうか。

「ニコチンが血管を強く収縮させるので、喫煙すると歯茎の隅々まで免疫細胞が届きにくくなります。結果、歯周病が著しく進んでしまうんです」(伊東氏)

 酒も、ほどほどが良さそうだ。「喫煙&飲酒が重なると、口腔がんや歯周病の確率が上昇します。 お酒は唾液が減りますし、特にワインなど、酸が強いお酒の場合は口の中の酸性化が進みます。ですから、途中で、お水を飲んで口の中を浄化させるといいですね」(石井氏)

 日頃の歯磨きだけではなく、定期的なメンテナンスも必須だ。

「定期歯科検診を受けるだけではなく、3か月に1回、デンタルチェックをしてもらい、歯石を取りましょう。歯が痛くなった時点で診察を受けるよりも、コストがかかりません」(同)

 最後に伊東氏の力強い進言を紹介しよう。

「高齢になってから、“食べたいのに食べられない”という人を私はたくさん見てきました。将来の自分のために、今から正しいケアを始めてほしいです」

 歯に対する意識を改め、老後の生活を変えるべし!

【前編】歯磨き=「虫歯予防」時代はもう古い! 健康寿命を10年延ばす、50代からの「歯磨きの新常識」では、正しい歯ブラシの握り方や、歯を磨くのに最適な時間などを専門医が解説している。

伊東材祐(いとう・さいゆう)
1975年生まれ。歯学部卒業後、大学病院付属の特殊機関で歯周病、かみ合わせ、最先端の義歯治療、歯内療法、オーラルリハビリテーションなどの先進医療を一流の歯科医師陣に学び、在宅医療を専門とする歯科医院を開設。累計7万回以上の訪問診療に従事し、専門的口腔ケアの向上を推進している。診療外で1700名以上のお口の相談にのり、累計受講者8000名以上の口腔ケアセミナーの講師を務める。エビデンスのある医学的理論と数多の高齢者の何十年もの実体験、真実に基づいた「絶対に虫歯にも歯周病にもならない方法」を提唱。口の健康は、精神状態と如実に連動していることから、「心の状態をよくすること」と「自分を大切にすること」を重視。日本人にあう食事や衣類、生活環境の整備、多様な考え方の受容が病気の予防や治癒や幸せな人生の一助となるよう、ご利用者さん(患者さん)に寄り添っている。医療法人理事長。合同会社ジェネラス代表。

石井さとこ(いしい・さとこ)
歯科医師・口もと美容スペシャリスト。歯のホワイトニングを日本で広めた第一人者。明るく、フレンドリーなキャラクターから「さとこ先生」と呼ばれ親しまれている。女性歯科医師ならではの、歯と体を美しく保つための食事や、歯が美しく見える口元メイクについてのアドバイスに定評がある。女優・モデル・タレント・アナウンサーなど、多数のビューティーセレブからの信頼も厚い。

森くるみ(もり・くるみ)
2003年9月28日生まれ、愛媛県出身。T148cm、B75W54H85。趣味・特技:アニメ・ドラマ鑑賞。資格:歯科衛生士。