千葉県にある市川市動植物園で暮らす子ザルのパンチくん。その動向に注目が集まったのは2月19日のことである。

「SNS上でニホンザルのパンチが他のサルから引きずられている動画が注目を集めました。大人のサルからいじめられているように見えるパンチの姿にはSNS上で“パンチ怖かったでしょう”“パンチを襲ったあのサルなんなんだ”などのコメントも相次ぎました」(地元紙記者)

 一連の投稿を受け、市川市動植物園は翌20日にX上でコメントを発表。

《現在、広く拡散されているいくつかの動画を拝見しています》と切り出した上で、《パンチが群れの他の子ザルに近づきコミュニケーションを取ろうろしていたところ、その子ザルからは避けられてしまいました。パンチがコミュニケーションを諦めて座ったところを大人のサルに怒られて引きずられているようでした》と状況を説明。

《今回パンチを引きずったのはパンチがコミュニケーションを取ろうとした子ザルの母親だと思われます。恐らく母ザルは子ザルが嫌なことをされたと思い、パンチに対して“子ザルに嫌なことをするな”と怒ったのではないかと思います》と集団内でのいじめなどではなく、あくまでも一連の流れを一般的に自然界で起こり得るサルの行動だと推察した。

 ぬいぐるみを抱えて園内で過ごす姿が愛らしいと話題のパンチくん。その姿がSNSに投稿されると、その愛らしさや健気さが人気を集め、「#がんばれパンチ」のハッシュタグとともに盛り上がりを見せる。そんなパンチくんがぬいぐるみを抱きしめているのには理由がある。

「『ルパン三世』を描いた漫画家、モンキー・パンチにちなんで名づけられたという子ザルのパンチくんは、25年7月26日に誕生。母ザルの育児放棄が原因で飼育員による人工哺育でパンチくんは成長しました。子ザルは母ザルにしがみつく習性があることから、人工哺育に際して飼育員はパンチくんが手で握りしめられるタオルなどを用意したそうです。その中でもオラウータンのぬいぐるみを気に入ったパンチくんは現在、園内のサル山をぬいぐるみを抱えながら走り回っています」(前出の地元紙記者)

 オラウータンのぬいぐるみを手にサル山を駆け回る子ザルの姿はインパクトがあったのか、国内はもちろん海外のメディアやSNSも反応している。2月17日には、パンチが抱いているオラウータンのぬいぐるみを日本国内で販売しているイケア・ジャパンの代表取締役社長兼CSOのペトラ・ファーレ氏が同園を訪問。計33体のぬいぐるみを寄贈した。

 今や、パンチとセットで注目を集めるオラウータンのぬいぐるみ。こちらの販売元であるイケアは、今回の盛り上がりをどう見ているのか――。本サイトではイケア・ジャパンの広報担当者に話を聞いた。

 まず、パンチくんが同社のぬいぐるみを“母親代わり”としていることをどのようにして知ったのか。

「私たちは先日、SNSやメディアを通じてパンチくんのことを知りました。母親に代わる“ぬくもり”としてぬいぐるみを抱えながら、新しい環境で懸命に過ごすパンチくんの姿に、胸が熱くなりました。イケアのぬいぐるみが、パンチくんの毎日を少しでも支えられているのであれば、これほど嬉しいことはありません。同時に、その成長を日々支えている飼育員の皆さま、そして動物園、市川市の温かなサポートがあってこそだと深く感じ、あらためて敬意を抱きました」(イケア・ジャパン広報担当者)

「より快適な毎日を、より多くの方々に」という想いをベースに、また“子どもたちは世界で一番大切な存在”と考えているという同社は、「私たちにも何かできることはないか」と考え、市川市動植物園および市川市に相談。パンチくん、そして動物園に来園する子供たちのために今回、ソフトトイを寄贈するはこびとなったのだという。

 選んだのは、パンチくんが抱えているオランウータンをはじめ、カメ、カワウソ、ウサギ、ミーアキャット、シロフクロウなど、市川市動植物園で飼育されている動物を中心に選定した12種類のぬいぐるみ 計33点。収納バッグおよび収納ボックス 7点も合わせて寄贈した。