オープン戦も始まり本格的に開幕が迫ってきたプロ野球。現役トップのエースから往年の名投手まで、新旧のレジェンドが操る伝家の宝刀“魔球”の本当のすごさを識者が本サイト上で徹底解説する。
まず、ストレートならば、かの張本勲が「165キロは出ていた」とも証言する“400勝投手”金田正一。
次いで、その金田と同じストレート&カーブの2球種で三振の山を築いた“怪物”江川卓あたりか。
中日時代に3年連続最多安打を記録し、江川とは幾度となく対戦した田尾安志氏は「いいときは打てないと、途中から割り切っていた」と振り返る。
「力感のないフォームからスピンの利いたボールが来るから、ベース上で加速するように感じる。普通に振ると、当たってもバットの上っ面なんですよね。
しかも、好調時は真っすぐに比例して、カーブの威力も格段に増す。あれにも相当、手を焼きました」
体感が実際を上回るストレートでは、90年代にパ・リーグ最多118勝の左腕・星野伸之も象徴的。
代名詞だった120キロ台の“超遅球”は、清原和博らをしても、「最も打ちにくい」と言わしめた。
西武時代に対戦のある、前出の田尾氏もこう話す。
「腕の振りがすべて同じだから、スローカーブが来ると待ちきれない。あの真っすぐは実際、打席に立つと相当速く感じた。左腕だけに、右打者には余計に打ちづらかったと思いますよ」