MLBでも見たことがないタテ回転

 平成年間では、阪神の現監督・藤川球児の“火の玉ストレート”も捨て難い。

 1学年上の元同僚で、03年には沢村賞も受賞した左腕の井川慶氏が言う。

「入団当初からボールはきれいなタテ回転。一緒にキャッチボールをしても、押し込まれるような感覚はありました。あの球速で、あそこまでのストレートを投げる投手は、MLBでも見たことはなかったですね」

 一方、そのMLBのトレンドを強く意識した高めのストレートで三振を量産しているのが、昨季の沢村賞投手、伊藤大海(28)だ。

 プロ野球のデータ解析を手がけるジャパンベースボールデータの宮下博志氏によると、こうした傾向は「日本ハムの投手に特に顕著」でもあるという。

「北山亘基(26)も、高めで空振りを取りにいくタイプ。彼らのストレート割合が、きたるWBCの米国ラウンドでどう変化してくるかにも注目しています」(前同)

 他に現役では、トミー・ジョン手術から昨季復活した楽天・西口直人(29)も特筆すべき存在。

 宮下氏いわく「空振り率は約30%と、NPB平均を大きく超える」。その威力は“火の玉”と呼んでも差し支えないという。

 阪神時代に藤川の“火の玉”を受けた経験もある元捕手の野口寿浩氏も言う。

「楽天戦は解説で入ることも多いが、確かに年間でも前に飛んでいるのは何本かしか記憶にない。ホップ成分が強いというデータがあるのもうなずけます。

 同様に、先頃、キャンプで見た阪神・才木浩人(27)の真っすぐも浮き上がっているように見えました」