■リリースの瞬間はボールに見える
続いてカーブは、往年の名投手に使い手が多い。
その代表格は、やはり巨人の堀内恒夫や桑田真澄らになるだろう。
「いわゆる“ドロップ”は一度、真上に上がるから、リリースの瞬間はボールに見える。真っすぐ待ちから目で追いかけると、もうダメでしたね」(前出の田尾氏)
昨今では変化量より球速重視のパワーカーブがMLBのトレンドに。日本球界でも、オリックスのエスピノーザ(27)、DeNA入りしたデュプランティエ(31)ら、外国人投手にパワーカーブの使い手は数多い。
「同じ外国人でも毛色が違うのが、ソフトバンクのモイネロ(30)。制球のいい彼の場合は、遅いカーブを狙い通りに投げて三振を奪っている印象です」(前出のジャパンベースボールデータの宮下氏)
ちなみに、先発転向で成功を収めるモイネロよろしく、今季からは広島のクローザー・栗林良吏(29)が先発転向を予定している。
宮下氏が「面白い使い方をしている」と評する彼のカーブが、どんなスパイスとなるかも要注目だ。
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田尾安志(たお・やすし)
1954年、大阪府生まれ。高校時代は投手として注目を集め、同志社大では投打二刀流で活躍。75年、ドラフト1位で中日に入団。16年間で1683試合出場し、通算打率.288(5414打数1560安打)、149本塁打、574打点を記録した。
井川慶(いがわ・けい)
1979年、茨城県生まれ。水戸商業高校から98年にドラフト2位で阪神タイガース入団し、2003年には20勝を挙げてチームのリーグ優勝に大きく貢献。最多勝・最優秀防御率・最高勝率に加え、MVP、沢村賞、ベストナイン、最優投手と主要タイトルを総なめにし、04年10月4日の広島戦では史上71人目となるノーヒットノーランを達成。NPB通算219試合に登板し、93勝72敗1S、防御率3.21の成績を残し、07年にはMLBニューヨーク・ヤンキースへ移籍。帰国後はオリックス・バファローズに加わり、再びNPBのマウンドで活躍した。
野口寿浩(のぐち・としひろ)
1971年生まれ、千葉県出身。習志野高時代に高校通算11本塁打を記録し、89年オフにドラフト外でヤクルトスワローズに入団。98年に日本ハムファイターズへ交換トレードで移籍し、監督推薦でオールスターに初選出。99年には正捕手として130試合に出場。翌年には最高打率.298を残し、得点圏打率もリーグトップで、「ビッグバン打線の恐怖の8番」と恐れられた。捕手としても盗塁阻止率.423を記録し、二度目のオールスターゲーム出場。03年にはトレードで阪神タイガースに移籍し、翌年10月4日の広島戦では井川慶とバッテリーを組んでノーヒットノーランを達成した。08年には再取得したFA権を行使し、横浜ベイスターズへ移籍。引退後は、17年にヤクルト2軍バッテリーコーチ、18年は1軍バッテリーコーチを務めた。