■最も重要な防災グッズとは

 気候対策も欠かせないという。

「冬場に地震が起きた際にはカイロは欠かせません。カセットコンロのガスで使える暖房器具もありますので、寒い地域にお住いの方は備えがあると良いかもしれません」(前出の呉田さん・以下同)

 夏場の暑さへの対策には何が必要になるのだろうか。

「“ヒヤロン”という衝撃を与えるだけで冷たくなる保冷剤のような商品があるんです。これや“熱さまシート”のようなグッズを自宅に常備しておけば、夏場に電気が使えずクーラーが動かなくなっても暑さ対策が取れるでしょう」

 数多ある防災グッズの中で呉田さんが最も重要だと語るのは“簡易トイレ”だ。

「ウチは4日目には水が出るようになったので良いですが、断水が続いたことを想像すればゾッとします。食べ物は2、3日食べなくても何とかなりますが、トイレはそうはいきません。地震直後はトイレも流せなかったので、そのままにしていましたが、冬場で良かったと思いました。これが夏場だったら目も当てられなかったでしょう」

 昨年9月には『防災備蓄収納プランナー協会』が行なう『防災備蓄収納自慢 BJ-1グランプリ2025』でグランプリに輝いた呉田さんは、被災生活を振り返りこう語る。

「家族やペットの写真を紙にして持っておくとよいでしょう。避難所を一か所、一か所尋ねて“〇歳くらいでメガネをかけている男性で”と説明したところで、他人に自分の家族の容貌をわかってもらうのは難しい。それなら写真をお財布の中とかに入れておいて直ぐに“この人を探しています。見ませんでしたか?”と声をかける方が効果的です」

 3・11から15年――。あの日の恐怖が時間とともに薄れていこうとも、その日の教訓を忘れてはならない。