■タワマンは上空でムチのように振り回される

 民間マンションの復旧が後回しになるのには理由がある。大震災時の保守員には絶対的な“優先順位”が存在するからだ。

「保守員が優先的に向かうのは病院と公共施設。民間マンションの点検は優先順位として最後です」(同)

 タワマンは最新の耐震・免震構造で倒壊はしない計算だ。だが、それゆえに、周囲の約40万棟が全壊・焼失して道路も寸断される中、タワマンにセレブたちが閉じ込められる絶望的情景が待っているのだ。

「タワマンは“揺れを逃がす”ことで崩壊を防ぐ構造です。建築基準法が保証するのは、あくまで建物の丈夫さ。室内で何が起きるかは法律の範囲外です」(不動産関係者)

 では、どうなるのか。

「首都直下地震では直下型特有の激しい突き上げ(キラーパルス)が建物低層階や水道管・エレベーターのレールに致命的ダメージを与える。さらに関東平野は“すり鉢状”の地形のため、地震波が反射・増幅して大きな長周期地震動が生まれると、内閣府の報告書が記しています」(全国紙社会部記者)

 タワマンは「下から衝撃を受けた後、上空でムチのように振り回されるダブルパンチ」を食らうというのだ。

 前出の住宅ジャーナリストの榊淳司氏は、こう指摘する。

「東日本大震災では東京の揺れは震度5強程度にすぎなかった。それでも、タワマンの30階や40階にいた人たちは想像を絶する恐怖を味わったと聞いています。直下型震度7が来れば、家具の下敷きになって命を落とすことも十分にありえます」