■混ぜる回数は400回まで

 では、おいしい納豆を見分けるポイントは? 3500種類以上の納豆を食べ、『マツコの知らない世界』(TBS系)など、メディア出演も多数の石井泰二氏に聞いた。

「指標になるのが生産地です。納豆は、乾燥した大豆を水に浸して膨らませて作るため、その際に使われる水が味を大きく左右します。水がおいしい地域は、米どころや酒どころとして知られますが、実は、納豆どころでもあるんです」(同)

 また、『おかめ納豆』のようなナショナルブランドが、格段においしくなる工夫もある。料理研究家の望月理恵子氏が言う。

「フワフワの糸にしたければ、小さじ1/2の砂糖を加えてください。納豆のネバネバと砂糖が結びつくことで、糸が切れにくくなり、混ぜれば混ぜるほどフワフワに仕上がります」

 ご飯に合わない甘さになってしまわないのか。

「味に変化はないんです。北海道や東北地方の一部には、納豆に砂糖を入れる文化があります。意外に思いますが、昔から親しまれてきた食べ方です」(前同)

 望月氏いわく、「納豆は、混ぜれば混ぜるほど、うま味が増す」とのこと。では、納豆を混ぜるベストな回数は、どれくらいだろうか。

「さまざまな検証の結果、“うま味成分が増えるのは400回まで”という結論が出ています。よく、100回ほど混ぜるのがよいとされていますが、そこまで混ぜなくても、うま味成分は十分に引き出されます」

 前出の石井氏は、右に10回、左に10回、右に10回、混ぜるのがこだわりだ。

「混ぜる方向を変えることで、まんべんなく混ざり、粘りがしっかり出る。また、タレは後入れにしています。先に入れると、タレの水分によって糸に粘りが出にくくなるので、フワフワになるまで、よくかき混ぜてからタレを入れています」

 薬味を工夫したり、納豆を料理の材料にすることで、味や栄養価もグッと高まる。

「オススメは、納豆にネギや生姜などの薬味と、マグロなどの切り身を和えた、“ばくだん”です。ネギや生姜の抗アレルギー作用と、マグロに含まれるEPAによる血流改善効果が期待できます。花粉症や脳卒中、脳梗塞の予防に、うってつけの料理です」(前出の『イシハラクリニック』副院長の石原新菜氏)

 石原氏は「納豆は、現代の最強食」と、こう言う。

「1パック食べれば、かなりの栄養がとれます。忙しい現代人こそ、毎日食べてほしいです」(前同)
 毎日納豆を食べていると語った、くだんの猪木対ルスカ戦は、どうなったのか。

「会見での猪木発言に感動した納豆協会の方たちが“納豆がんばれ! チーズに負けるな!”という横断幕を掲げて応援する中、ルスカの柔道技をしのいだ猪木が、バックドロップ3連発で、逆転のTKO勝ちを収めました」(前出の記者)

 納豆で“粘り勝ち”の人生を送ろう!

【後編】脳卒中や心筋梗塞にも効果的、市販の「納豆」味、コスパ、糸引き“最強”ランキングを納豆マニアが徹底解説では3500種類以上の納豆を食べたスペシャリスト・石井泰二氏がオススメする「最新3商品」や「お手頃商品」、「全国版の納豆名鑑」なども一覧表で詳報する。

《【後編】はこちらから》

石原 新菜(いしはら・にいな)
医師。イシハラクリニック副院長。ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。健康ソムリエ理事。ロングライフラボ理事。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍。著書に『眠れなくなるほど面白い免疫力の話』『医者が教える奇跡の16時間断食』『温活365日』等、70冊を数える。

望月 理恵子(もちづき・りえこ)
健康検定協会理事長、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、小田原短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。『栄養学の◯と×』、『やせる時間に食べてみた!』など著書も多数。

石井 泰二(いしい・たいじ)
1962年、青森県出身。Webサイト『納豆wiki』主宰。大手ディスプレイ企業に務めるかたわら、全国各地を訪ね、これまで実食した納豆の数は3500種類以上。テレビ番組への出演も多数、納豆の魅力を日々発信し続けている。