横綱、親方として、相撲を通じて日本文化や神事に長らく関わってきた貴乃花。自身が体験したことや、本を読んで学んだこと、そして、心に残った“ニッポンの魅力”を、歴史の話も交えながら伝えていく。
歴史の真実を紐解くこの連載ですが、私が今、最も注目しているのが“四国”と、その周辺です。調べてみると実に面白くて、日本の歴史と深く関わっていることが分かりました。複数回に分けて語りたいので、まず今回は、記紀との関係について紹介しましょう。
日本最古の歴史書である、『古事記』。そこに描かれた国生み神話は、ご存じの方も多いでしょう。
伊弉諾尊(イザナギ)と、伊弉冉尊(イザナミ)の二柱の神様は、天沼矛(あめのぬぼこ)という神具で原初の海をかき回します。その矛先から滴り落ちた塩のしずくが積もり重なって、“おのころ島”ができます。
二柱は、その島に降り立って夫婦となり、次々と島々を生み出していく。そして、それが日本列島になったというお話です。
実はこのとき、二柱が最初に作ったのが、四国のすぐ北西に位置する淡路島(兵庫県)とされています。言うなれば、日本列島のはじまりの地なんですね。
ただ、何故、はじまりの地が淡路島なのか、疑問が残りますよね。これには、古代、淡路島を拠点にしていた“海人”が深く関わっているそうです。