《弊社としましては、2019年の前代表の死去に伴う経営陣の変更を踏まえ、時代や新しい環境に即した、社会から信頼いただける透明性の高い組織体制および制度整備を重要課題と位置づけてまいりました。

 本年1月に発表させていただいておりますが、経営陣、従業員による聖域なきコンプライアンス順守の徹底、偏りのない中立的な専門家の協力を得てのガバナンス体制の強化等への取り組みを、引き続き全社一丸となって進めてまいる所存です》

 4月12日、共同通信の取材に対して、ジャニーズ事務所はそう回答した。現在世間を騒がせている、ジャニー喜多川先代社長(享年87)による“性加害報道”に対してのコメントである。

「『週刊文春』(文藝春秋)やイギリス公共放送のBBCが取り上げてきたジャニー氏の性加害報道。これについて4月12日、元ジャニーズJr.で歌手の岡本カウアン氏(26)が、東京都の日本外国特派員協会にて記者会見を行ない、いよいよ事務所も無視できなくなりつつある、という感じになってきましたよね」(夕刊紙デスク)

 これまで『文春』やBBCの報道に大手メディアは沈黙を貫いてきた。

 しかし、今回の記者会見は、消極的ではあるものの翌13日にNHKが夕方のニュースで2分ほど報じたり、TBSラジオも『荻上チキ・Session』で“共同通信によりますと”と断ったうえで、共同通信の記事内容が紹介されたりと、わずかながら“変化”が生じてきている。

 一方で今回、共同通信が報じたジャニーズ事務所の声明は、今年3月7日、BBCがジャニー氏の“性加害問題”に焦点を当てたドキュメンタリー『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル(原題:Predator:The Secret Scandal of J-Pop)』を放送した際に出したコメントとほとんど同様の内容で、そういう意味ではあまり進展が見られないところもある。