■Netflixにとっては美味しい270万の新規加入世帯

 また、国民的スポーツとして愛されている野球だが、“テレビCMとの相性”は良くないのだという。前出の鎮目氏は続ける。

「テレビ局が流しているCMの大部分は女性向けなんです。食料品や日用品などは女性が購入する率が高く、特に若い人に訴求して、今後も継続して買ってもらいたいと企業は考えています。その点、野球は、中高年の男性に人気はあっても女性人気は少ない。野球に高いお金を払ってスポンサーしたい企業は限られているというのが現状です」

 一方、有料配信サービスであるNetflixにとって、今大会の配信で新たに獲得したと見られる270万世帯もの新規加入者数の増加は大きな意味を持つのだという。

「Netflixは加入者が残る限り毎月お金が発生します。WBC単体の配信で仮に利益が上げられなかったとしても、加入者が増えれば徐々に回収できる構図です。“Netflix独占配信”と銘打って行なった今大会の配信は、話題性やブランドイメージ効果も含めて考えると、費用対効果だけでは測れない価値があったはず」(前同)

 WBCの放映権料は2006年大会に10億円だったのが23年大会は30億円、今大会は150億円ととんでもない右肩上がりで高騰している。世界的なスポーツイベントの放映権料は高騰が続いていることから今後も、さらなる上昇が予想される。“カネ”だけ考えれば、もはや地上波での放送は絶望的だと言わざるを得ないのだ。