横綱、親方として、相撲を通じて日本文化や神事に長らく関わってきた貴乃花。自身が体験したことや、本を読んで学んだこと、そして、心に残った“ニッポンの魅力”を、歴史の話も交えながら伝えていく。

 今回は、神武天皇・四国即位説を紹介します。天皇が四国地方で即位していた、すなわち、四国に朝廷があった――という大胆な仮説です。

 神武天皇は、記紀(古事記と日本書紀)に記されている、初代の天皇です。

 天照大神(アマテラスオオミカミ)の子孫だった彼は、神武東征を経て、紀元前660年に、大和の国(現在の奈良県)で初代の天皇に即位したとされています。

 神武東征というのは、日向国(現在の宮崎県)で育った伊波礼毘古(いわれびこ)(後の神武天皇)が、天下を治めるべく、九州から山陰、紀伊半島、大和の国と、東方へ進軍する話です。そこから、現在は、大和の国が“日本建国の地”とされています。

 ではもし、この日本建国の地が別の場所だったら――。しかも、神武東征には登場していない四国地方だったら、驚きませんか?

「神武東征の途中で、実は、伊波礼毘古は四国地方にも立ち寄っていたんだよ」

 なんてことは言いません。冒頭で述べた仮説は、もっと大胆です。