■出雲大社、諏訪大社ルーツは阿波にあり
また、神武天皇が山頂から自身が治めた国を見渡し、「この国はトンボの交尾のような形をしている」と語ったという逸話がありますが、粟嶋は、その姿に重なる地形をしているそうです。
トンボの形は奈良盆地を指しているというのが通説でしたが、もしも粟嶋だとしたら、神武天皇は四国地方で即位し、朝廷を築いたことになりますよね。
実は、粟嶋はかつて、『浮島八幡宮』という神社が鎮座する聖地でした。しかし、大正4年(1915年)に、当時の日本政府が、吉野川の改修のためにと神社をダイナマイトで爆破。跡形もなく破壊され、島に住んでいた人々も強制退去させられたそうです。古代国家の形跡を隠した!? そう勘ぐってしまいます。
これらの話の第一人者が、『ジオ・ヒストリア』(笠間書院)などの著書で知られる、作家で世界史講師の茂木誠さんです。
茂木さんは他にも、欠史八代にまつわる神様を祀った神社が徳島県にしか存在しない点。出雲大社や諏訪大社など、重要な神社の元宮(神様が最初に鎮座していた場所)の候補地が徳島県の阿波にある点を挙げ、日本の古代史において四国は重要な土地だったと結論付けています。
前回ご紹介した、淡路島の海人と記紀の関係が表だとしたら、今回の話は裏の歴史です。しかし、そこにこそ歴史の真実が隠されていると、私は思うのです。《前回の記事はこちらから》
貴乃花光司(たかのはな・こうじ)
1972年8月12日、東京都生まれ。88年、藤島部屋に入門。92年の初場所で、史上最年少の19歳5か月で幕内初優勝。兄・若乃花と「若貴フィーバー」を巻き起こす。94年11月に第65代横綱に昇進。幕内優勝22回。生涯戦歴は794勝で、「平成の大横綱」と呼ばれた。2018年に日本相撲協会を退職し、現在はテレビ、講演会等、幅広く活躍中。