■ダブルヒロインで展開にもたつきが…
一方で、《Wヒロインで同時進行でやっていくのは難しいね。姉妹設定とかなら難しくないんだけど、離れた場所の2人が出会うまで同時進行させるのはなかなか…しかも、15分で区切られるからね…『あんぱん』で無理やり幼馴染にしたのもわからなくはない》など、ダブルヒロインの難しさを懸念する声も出ている。
正しくあろうとするも、報われることのないりん(見上)と、不幸な出生ゆえに正しくあることを憎む直美(上坂)。朝ドラの初週ならではの、”これから始まる物語”へのワクワク感がないうえに、いきなり第4回で父親の早逝。初週のつまづきは、この重さにあるのは間違いない。
とはいえ、朝ドラの初週でヒロインの困難な状況を描き、今後、乗り越えるものとして提示するのは、珍しいことではない。りんが縁談に躊躇する姿を見せるなど、テーマである結婚以外の道筋も、ちゃんとほのめかされている。それでも本作に希望が感じられないのは、ダブルヒロインという設定によるところが大きい。
2人の状況を同時に描いていくので、展開が早くて情報が少なくなり、人物への思い入れが薄くなっているのだ。さらに、物語にも入り込めていない段階で、ひたすら”しんどい状況”を見せられ続けているのだから、重い印象を持つのは無理もない。りんと虎太郎(小林)との関係や、直美の生い立ちがもっとわかっていれば、暗い展開でも応援しようという気になると思うのだが……。
りんと直美が出会うのは、第2週の最後から第3週にかけてだが、本格期に看護師を目指すのは、まだ先のことのようだ。そこまでいけば、ドラマの空気はだいぶ変わると思うが、それまで視聴者がついてこられるか。2人の人生に多大な影響を及ぼす、大山捨松(多部未華子/37)の本格参戦はこれからで、今後の展開に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。