■顧客からは“QOLが高まった”という声も

 声優の声があちこちで起用されている現状。中でも現在注目を集めているのが、シャープの『COCORO VOICE』というサービスだ。

 2021年にスタートしたこのサービスは、家電の発話音声に『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ役の緒方恵美、『進撃の巨人』エレン・イェーガー役の梶裕貴、『SPY×FAMILY』ロイド・フォージャー役の江口拓也などの人気声優やアニメ・ゲームのキャラクター、英語、方言などを採用。今年3月2日には、月額550円で対象14人の声優ボイスを自由に切り替えられるサブスク型『ボイスアクターズプラン』も始まっている。すでに音声案内は継続課金が成立する、れっきとした商品価値そのものなのだ。

 この声優起用の経緯について、実際にシャープの広報担当者に話を聞いてみた。

「当社は2012年発売のロボット家電『COCOROBO』以来、“人に寄り添う家電”をコンセプトに開発してきました。その中で、家電が声で話しかけることは重要な要素です。機能を伝えるだけでなく、挨拶やねぎらいの言葉も含め、家電に親しみを感じてもらえるよう工夫しました」

 利用者からの反響もすでにあるという。

「お客様からは“家電に愛着が湧く”“家事が楽しくなった”“毎日の生活に潤いが生まれ、QOLが高まった”といった声をいただいております」(前同)

 では、起用する声優はどのように選ばれているのか。

「ご利用データをもとに各家電の顧客層に合った声優へ相談するほか、SNSやメールで寄せられるお客様の要望も参考にしながら、起用する声優を選定しています。」(同) 

 今後についても、担当者はこう語る。

「生成AIの進化で、今後はさまざまなモノやサービスで音声活用がさらに広がり、提供の形も多様化していくと考えています。当社としても、こうした市場の拡大に向けた取り組みを進めていきます」(同)

 次に耳に飛び込んでくる案内は、あなたの推しの声かも。