■受験シーズンに福岡で『キットカット』が売れるワケ
こんな例もあります。これは全国的にも有名なヒット商品ですが、商品そのものの価値ではなくて、その商品の思わぬ使い道が付加価値になった面白い例。
皆さんご存じ、『キットカット』というチョコレートがありますよね。
あるとき、メーカーが売れ行きを調べたら、なぜか福岡県での売れ行きがいいというんです。それも2月から3月にかけて売れている。調査したところ、その理由は「キットカット」という名前にあった。
「キットカット」は博多弁の「きっとかっとう(きっと勝つ)」に似ていることから、
「あんたはきっと勝っとうよ」
と、受験のお守りとして彼氏や彼女にあげるプレゼントに最適なんですって。それで受験シーズンに福岡で売れているというわけ。面白いよね。
これに目をつけたメーカーは包装紙の一部分を白く抜き、受験に向かう彼氏や彼女に向けて一行メッセージを書き込めるようにしたら、バカ売れした。
商品自体は同じでも“受験のお守り”という付加価値が付いたことでヒット商品になった。
商品の価値ということでは、富士山に設置されている自動販売機のペットボトルの水の値段が分かりやすい例。
本書によれば、五合目では100円台(2024年当時)だった値段が、登っていけばいくほど高くなっていくそうで、なんと山頂では1本500円もするそうです。5倍の値段になっても水を飲みたい人は買う。つまり、これが付加価値。
まったく同じペットボトルの水の価値が、高さ(場所)によって変わるんです。
私自身についてもしみじみと考えてみました。私も加齢とともに高齢者、つまり老人になっていく。そんな我が身に、どう付加価値を付けていけばいいのか、私も必死です。
これが意外と難しく、なかなか油断できませんでしたね。芸能界で生きる身の私にとって、いわゆる“じじいのライバル”が多いんですよ。年を重ねることで付加価値を付けて花を咲かせるタレントがいっぱいいる。