武田鉄矢が、心を動かされた一冊を取り上げ、“武田流解釈”をふんだんに交えながら書籍から得た知見や感動を語り下ろす。まるで魚を三枚におろすように、本質を丁寧にさばいていく。

このオムライスに、付加価値をつけてください』(ポプラ社・柿内尚文著)という面白いタイトルのビジネス書を題材として、「付加価値」について語っております。《#01はこちらから》

 私、武田も年齢を重ねて老年を迎え、芸能界ではすでに“じじいタレント”の仲間入り。並み居るじじいタレントたちをかき分けて芸能界で生き抜いていくためには、自分自身に付加価値をつけなければ生き残れません。

 では、どんな付加価値をつけて、武田鉄矢というタレントの価値を上げることができるのか。それが現在の私のテーマ。

 皆さんも、老年期を迎えた自分に、あるいは、これから老年期を迎えようという自分に、どうすれば付加価値をつけて人間的な魅力をアップさせることができるのか。言い換えれば、年齢に任せずに“老いてなお、ひと花咲かせる”には、どうしたらいいのか。自分の身に置き換えて考えつつ、お読みください。

 ここからは独自の解釈を、ふんだんに加えた武田節全開で語らせていただきますので、ご容赦を。

 さて、著者は付加価値について、こんな例を挙げておられます。

 皆さんも経験があるでしょうが、レストランに入るときにホールスタッフから「お好きな席へどうぞ」と言われることがありますよね。一見、お客さんに好きな席を選ばせる良いサービスのように思えますが、実は、これではサービスにはならない。

 

  たしかに「お好きな席に」と言われても、店内の様子がわからないお客さんからすると、混雑時などは特にどこに座ったらいいか探しにくい場合もあると思います。お客さんにとって最適な席を一瞬で判断し、『こちらにどうぞ』と勧めること。これも付加価値をつくっていることになります(柿内尚文.『このオムライスに、付加価値をつけてください』. ポプラ社, 2025)

 

 サービスに付加価値をつけるには、「お好きな席にどうぞ」なんて言っちゃダメなんだ。店内が空いていて席を選び放題だとしても、お客さんをご案内して「窓際がよろしいですか? それとも奥の席がよろしいですか?」と、お客さんに2択をチョイスさせたり、「ここが一番、景色がよろしい当店の特等席でございます」なんて案内すると、その言葉自体がサービスになる。

「お好きにどうぞ」なんていう相手任せは価値がない。そのお客さんにとってベストな席に案内するからサービスになる。要は、そのおもてなしの心がサービスに付加価値をつけるんですね。