■「愛することは、命がけ」『月夜行路』第2話予告に意味深な伏線か

 ドラマ『月夜行路』は、人気ミステリー作家・秋吉理香子氏の同名小説が原作。夫に浮気疑惑があり、家庭に居場所がない主婦・沢辻涼子(麻生)が、ひょんなことから文学を愛する銀座のバーのママ・野宮ルナ(波瑠)と会い、2人で旅先の大阪で繰り広げていく文学ロードミステリー。

 日本テレビ系「水曜ドラマ」枠は視聴率が苦戦する枠として知られるが、『月夜行路』は第1話の世帯視聴率5.3%。同枠ドラマで世帯5%超は、25年7月期の『ちはやふる―めぐり―』の第1話(5.2%)以来。個人視聴率も3.0%を獲得し、そしてTVerお気に入り登録者数は47.7万人で、4月期ドラマ第1位。第1話のTVer再生数は163.6万回再生と、早くも150万回を突破した。

 同作は一見すると、『火曜サスペンス劇場』の令和版とも言えそうなミステリードラマとしては王道の構成。“風変わりなコンビが旅先で殺人事件に遭遇し、それを解決する”という1話完結スタイルの作品だ。

 しかし――その裏側では《この旅も、この出会いも、初めから何かがおかしい。》というキャッチコピーを筆頭に、意味深な縦軸の物語が展開されていて、そこに“考察要素がある”と注目されている。

 たとえば、波瑠演じる主人公・ルナの“本当の目的”に注目する視聴者は多い。ルナの旅の目的は、表向きには“文学関連の聖地巡り”。自身が経営するバーで出会った麻生演じる涼子が、20年以上前の恋のお相手で突然「実家の事業を継ぐ」と別れを告げた男・カズト(ACEes・作間龍斗/23)に未練があることを知り、無理やり同行させて大阪旅へ――という流れだった。

 しかし、第1話のエンディングでは「彼女(ルナ)が私と旅する本当の理由を知るのは、もう少し先の話だ」(涼子)という意味深なモノローグがあったり、同回や第2話(4月15日)予告では、ルナが、恐ろしいほどの無の表情で涼子を見つめる演出が意味深に強調されていたりと、実際には何か深い理由があると見られる。

 さらに、ルナには旅費などをバックアップしてくれる「ダーリン」がいるのだが、実はこれがカズトでは……という考察も。

 根拠としては、第2話予告でカズトが「愛することは、命がけだよ……」と語りかける回想シーンがあること。文学ロードミステリーの今作、同セリフにも深い意味があるはず。そして、「愛することは~」というのは日本を代表する小説家・太宰治の短編『雌に就いて』の一説《愛することは、いのちがけだよ。甘いとは思わない》だと考えられるのだ。涼子のかつての恋のお相手・カズトも文学に精通する人物である可能性が高い――つまり、カズトとルナには何らかの繋がりがあるのかもしれない、ということだ。

 また、同ワードは真剣に人を愛することの難しさや、覚悟を求めた言葉でもあり、相手と共に歩む過酷さや責任を伴う行為を表現しているとされる。麻生演じる涼子が、それこそ命の危機に陥るような出来事が過去にあったのかもしれない。涼子を巡っては、第1話で“過呼吸を起こした人への対応が妙に手慣れている”という描写があり、《過呼吸の人が身近にいた?》《自分が過呼吸経験者か》などという考察も……。

 また、やはり気になるのは、1話のラストにもあった眠る涼子をゾッとするような無表情で見つめていたルナだ。《この旅も、この出会いも、初めから何かがおかしい。》というキャッチコピーから考えても、涼子はルナに嵌められたのかもしれない。前述の太宰に通ずる「愛することは、命がけだよ……」発言も踏まえると、今後、涼子に命の危険が迫る展開も……!?

 1月期とはTVer上位作品の顔ぶれが大きく変わりそうな26年4月期ドラマ。謎多き『月夜行路』は、1位をキープできるのだろうか。日曜劇場、月9、その他のドラマの猛追は、果たして――。

特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲ藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。4月期ドラマの全枠視聴を目指している。