■「自分の企画がスベったらプロデューサーってやっぱり恥ずかしいです」

――高橋さんは『家、ついて行ってイイですか?』などヒットした番組が多いですが、テレビ番組のプロデューサー同士にライバル関係はあるんでしょうか?

 あんまりないですよ。企画を通せなくて悶々としてる時期にはライバル意識があったかもしれないですけど……僕は比較的社歴に恵まれてて、結構早めにそういうコンプレックスはなくなりました。

 ライバルはいないけど、自分の企画がスベったらプロデューサーってやっぱり恥ずかしいです。1億人とかの前で「お前が面白いと思うことやってみろよ」って言われて打席に立つわけですよ?

 僕は、自分の企画がスベったときは会社行かないでひっそり消えるタイプでしたけど、でもみんなコケた時ほど優しいですよ。反対にヒットすると冷たいです(笑)。反響が大きい番組には、みんないろいろ言いたくなるんじゃないですか? 批評し合う文化があるというのは健全ですけどね。

高橋広樹/撮影・ピンズバNEWS編集部

――そんな高橋さんのテレ東時代の先輩には、テレ東を代表するプロデューサーとして有名だった佐久間宣行さん(47)がいらっしゃいましたが、高橋さんにとって佐久間さんはどんな存在でしたか?

 作り手としては、まだ現場で戦っているのがすごいと思います。最前線で仕事をして、本当に演出が好きなんだろうなって。普通だったら現場に出るのがめんどくさくなったり、自信をなくして出なくなったりするんですけど、佐久間さんはずっと戦ってる人だなっていう。

 人間としては……絵に描いたような“いい人”だから逆につまらないですね(笑)。明るくて楽しくておしゃべり上手で、背も高くてイケメンでモテて……僕から見ると佐久間さんは完璧な人だから、もうちょっと人間としてクズな面があると面白いなと思います(笑)。

 強いていじるべき点あげるとすれば、佐久間さんは自分の若いときの写真を持ち歩いているので、ちょっとナルシストなところくらいかな(笑)