私立高校の授業料を2026年度から実質無償化する改正就学支援金法が3月31日の参院本会議で可決。4月1日から全国で高校授業料の無償化が始まった。
これにより過熱しているのが中学受験だ――。公立高校のみならず、今回の法改正で私立高校も授業料無償化の対象に含まれる。仮に中学入学時点で大学付属の名門私立校に子供を入学させれば、高校分の授業料はタダになる。中学と大学の7年間の授業料さえ支払えば、名門大学の卒業証書が手に入るという仕組みなのだ。
この仕組みが“コスパ”が良いと考えた保護者層が現在、俄然中学受験に興味を持ち始めているのだという。今回は自身もそんな保護者の1人だという田中智恵さん(42・仮名)のケースをもとに中学受験と家計の問題を検証する。
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高校授業料無償化の影響から、受験生の数も急増。現に26年度の首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の私立・国立中学受験者数は約52050人と過去4番目の高水準だ。受験生の数の増加に比例するように年々中学受験も難化しているという。
入試突破のためには小学校3年生、4年生からの通塾も珍しくなく、6年生ともなれば塾代だけで年間200万円もの費用が掛かることもザラだという。しかし、高偏差値の学校への合格実績が数多ある塾へと子供を通わせようが、我が子が第一志望に受かる保証はどこにもない。
それでも智恵さんは、現在6年生の長男と4年生の次男について、どちらも「絶対に大学付属の私立中学に入学させたい」と鼻息が荒い。現に兄弟は昨年からともに大手進学塾に通わせているのだという。
智恵さんは美容師。自身は地元神奈川県内の公立中・高から専門学校へと進学。当然、自身は中学受験の経験などない。六大学を卒業した会社員の夫(46)も息子たちの教育方針にはノータッチ。中学受験について相談しても「子供がやりたいんならいいんじゃない」と傍観するばかりだ。
「夫は会社員。私も今は美容師の仕事はせず、週に3日スーパーでレジ打ちのパートをしています。共働きで、世帯年収は950万円ほど。家計を埋める割合は教育費が最も高く、息子たちが通う塾の授業料や夏期講習だけで、長男は年180万円ぐらい。次男は70万円ほどかかります」