低価格をウリに幅広い層に人気のイタリアンチェーン『サイゼリヤ』が、都内で相次いで閉店している。4月13日にイトーヨーカドー八王子店が閉店すると、5月11日には恵比寿駅東口店が店を閉じ、5月25日には新中野店も閉店することが判明した。相次ぐ閉店情報に対してネット上では、

《サイゼが閉店すると聞いて、涙を流している》

《学生の俺たちはこれからどこで飲み会をすればいいの》

《中野区からサイゼが全滅する……》

 などの声が上がっている。業績悪化による閉店かと思いきや、サイゼリヤの売上自体は伸びているという。

「サイゼリヤは物価高の中でも客足は好調で、客単価も上昇傾向にあります。当初予想を6億円下回ったものの、2026年8月期の純利益は前期比6%増の118億円になる見通し。売上高予想は、前年同期比16%増となる2970億円となっています」(全国紙経済部記者)

 では、なぜ都内でサイゼリヤの閉店が相次いでいるのか。小売・サービス業界に詳しいムガマエ株式会社代表で経営コンサルタントの岩崎剛幸氏は、次のように説明する。

「今回の閉店はたまたま日付が近いだけでしょう。サイゼリヤは、テナントの契約満了などによって、毎年20〜30店舗が閉店しては条件や立地のいい場所に移動しています。今年も20店舗が閉店予定なので、計画の中の一連の動きだと思います」

 ただ、恵比寿駅東口店の閉店に関しては、どうやら事情が異なるようだ。

 4月13日にWEBマガジン『恵比寿新聞』が《【速報】サイゼリア(※ママ)の閉店は家賃値上げ交渉による撤退という事が独自取材で分かりました。話では2倍近くの値上げ交渉があったなどと言う話も出ています。》と公式Xに投稿したのだ。

 事実、14年には坪単価308万円だった恵比寿駅の土地価格は24年には503万円にまで上昇。高騰率は63.6%と都内でも屈指の値上がり率だ。これに比例する形でテナントの賃料相場も上がっているのだ。

 前出の岩崎氏が補足する。

「恵比寿駅周辺で飲食店が出店するエリアは、賃料が坪当たり3万円から5万円です。サイゼリヤは1店舗70坪ぐらいなので、坪3万円だとしても年間約2500万の家賃がかかります。これがもし倍増されるとなると年間5000万円。サイゼリヤの利益基準からすれば、大幅なマイナスです」(同)