■売上に対する家賃比率は10~15%が理想

 岩崎氏いわく、都内のサイゼリヤの売上相場は「2億円」ほどだという。恵比寿駅東口店の売上を2億円と仮定した場合、家賃が5000万円になれば家賃比率は25%になる。どれだけ好立地でも、低価格を維持したいサイゼリヤにとって固定費の引き上げは難しいのが実情だ。

「サイゼリヤのような低価格帯の業態であれば、売上に対する家賃比率は10〜15%ぐらいが理想です。そこに収まらないと利益は絶対出ません。家賃の改定は、特に東京都内ではこれから増えてくるでしょう。都心の駅周辺の好立地に出店している店舗については、今後閉店する可能性もあります」(前出の岩崎氏)

 そこで今後不安視されるのが、”値上げ”の可能性だ。コロナ禍以降、物価高や人材不足の影響を受けて多くの外食チェーンが値上げを実施してきた。直近であれば、2月25日に『日本マクドナルド』が『ビッグマック』を税込480円~だったのを税込500円~に値上げ。3月24日には、牛丼チェーン『すき家』が『カレー並盛』を税込490円から税込550円に値上げ。ハンバーグチェーン『びっくりドンキー』も4月8日に全商品の7割に相当する117品目を値上げした。

 さらに追い討ちをかけるように、現在、ホルムズ海峡封鎖の影響で原油高が起きている。今後、飲食業界では食材の輸送コストの増加や電気代の高騰など店舗運営にかかる費用の増加が想定されている。他の外食チェーンとは違い、サイゼリヤはこれまで一貫して値上げをしていない。とはいえ、このまま価格を維持し続けることは本当に可能なのだろうか――。

「サイゼリヤは、絶対に値上げしないとは言っていません。お客様の収入が上がり、サイゼリヤに対してある程度お金を払ってもいいという状況になったら、値上げする可能性はあると言っています。ただし、基本的には値上げしないという方針です」(前同)