■原作を変更した結果、トリックが不自然に
「ちょっと大げさな言い方になってしまうかもしれませんが、“フジの月9”っていうあの空気は、今回全部入れ替わると思います」と、放送前に木村が寄せていたコメント通り、映像にも重厚感があり、おおむね高評価。豪華なキャスト、演技力、映像が評価されるなか、一方で、脚本面や、一部の演出面を不安視する声が増えてきているという。
「木村さん演じる風間や新人刑事たちの人間ドラマはいいのですが、事件の“謎解き”や“トリック”のところで、第1話から視聴者の間で“そうはならないだろ”といったツッコミの声が続出してしまっています。
少なくとも第1話の“ツッコミどころ”に関しては、長岡弘樹氏による原作小説の時点ではまともだったのが、ドラマ版でアレンジしたのが原因で不自然になってしまったようです」(前出のテレビ誌編集者)
第1話では、
“タクシーで男が同乗者の女性に殺された。実は男はGPSで地図を見ながらタクシーを走らせており、移動経路を辿ると犯人女性の名前が浮かび上がるように運転手に進む道の指示を出していた”
という場面が描かれていた。
ドラマ版だと、“女性に殺されるのを察した被害者がダイイングメッセージを仕込むべくタクシーを走らせていた”という行動が「回りくどすぎる」とツッコミが殺到。
しかし、原作だと“被害者は女性を驚かせるつもりで、単なるイタズラで文字を仕込んでいた。結果的にそれがダイイングメッセージになり、犯人を追い詰める形になった”という自然な展開だった。