■日本式ラーメンヒットの裏に韓国独自の文化が…

 韓国で日本式ラーメンがヒットした理由はどこにあるのか。

「世界的にラーメン人気に火がついたきっかけは、ニューヨークで豚骨ラーメン店ができたことだと言われています。現に韓国でも2011年にソウルに一風堂が進出すると、豚骨ラーメンが一大ブームに。すると東京の名店で修業を積む料理人も現れた。そういった人たちがソウルでラーメン店を出したのです。これがきっかけで多くの人に日本式ラーメンが受け入れられました」(前出の藤野氏)

 とはいえ、ここまで急速にラーメン店が国内で増加したのは、韓国独自の食文化も影響しているようだ。もともと、韓国はインスタントラーメン大国であり、ラーメンを日常の食として楽しむ文化が根づいているのだ。

「韓国のコンビニに行くと、(ラーメンの)袋棚がまるで本棚みたいに並んでいて、何十種類もの袋麺がずらっと置いてあるんです。そこで袋麺を一つ選んで、その場で自分で作って食べる仕組みがある。そういう風景を見ると、日本以上にラーメンが日常の中にあるんだなと感じます」(前同)

 では、なぜあえて日本式ラーメンがここまで支持されるのか。その理由は、韓国料理とは異なる味付けにあるという。

「韓国のスープ文化は食材を長時間煮込み、唐辛子などのスパイスで、味を足していく、言わば“足し算”の発想が多いのに対して、日本のスープ文化は“引き算”の考えです。味を濃くしていくのではなく、鶏ガラや昆布でとった透明感のある出汁に香味油やタレを加えて仕上げる。このスタイルは最初は韓国人には目新しかった。そして数年、十数年をかけて、ついに市民権を得るまでになったと感じています」(同)