2024年1月から始まった新NISA制度。個別株や投資信託へと投資した場合、その利益に対して通常であれば20.315%の税金がかかる。しかし、この制度を活用すれば年間360万円(成長投資枠240万円、積み立て投資枠120万円)までが非課税となる仕組みだ。このメリットを享受すべく今や国民の4人に1人がNISA口座を開設しているとも言われている。
そんな制度のメリットを活用すべく、今年の年初からNISA口座を通じて投資を始めたというのは中川順二さん(72・仮名)。多くの人が活用する新NISA制度だが、中川さんは「あんなものに手を出すんじゃなかった」と憤る。今回は中川さんのケースを専門家と共に検証する。
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米国株相場の指標でもあるS&P500。その株価指数が最高値を更新したのは4月15日のことである。これにはSNS上でも《S&P500、最高値を更新だーー》や《S&P500…投資やめなくってよかったぁ~w 増えてる増えてるw》、《米S&P500種が最高値更新、好決算と米イラン和平への期待で》と喜びの声も多く見られた。
そんな中、「あんなものに手を出すんじゃなかった」と怒りを隠せないのは中川さんだ。現在、年金暮らしだという中川さん。定年後となる65歳から受給を始めた年金の受取額は毎月20万円ほど。2人の子供はすでに独立し、自宅の住宅ローンの支払いも終えているため、生活が困窮しているわけではない。しかし、物価高も影響し妻との2人暮らしに余裕があるわけでは決してない。そんな中、昨年10月には初孫が誕生。孫に少しでも資産を残したいとの思いもあり、資産運用に興味を抱いたのだという。
ちょうどその頃、参加した元勤務先のOB・OG会は新NISAの話題で持ちきりに。
「税金がかからない」「とにかくお得」「寝ているだけでお金が増える」などと口々に話すかつての同僚たち。彼らの言葉に説得力を感じた中川さんはひとまずNISA口座を開設したという。