■“ジャポニズム”とは、なんぞや

 それは美術の時間に教わった“ジャポニズム”という流行というか現象。モネとかゴッホとか、いわゆる“印象派”と呼ばれるフランスの芸術の一派を語るときに、必ず、その前段で「ジャポニズムの影響を受けた」ということが語られる。

 この「ジャポニズム」とはいったい、なんぞや、と。

 皆さんも美術の時間に聞いたことのある名前だと思いますが、モネ、クリムト、ロートレック、ゴッホ……この人たちは日本の浮世絵を見て、ひっくり返るほどの衝撃を受けたそうです。

「浮世絵の何に、そんなに驚いたの?」

 それが不思議で不思議で。だってなんかベターッとした絵じゃない、浮世絵って。

 聞くところによれば、最初にヨーロッパ人が驚嘆したのは、お茶を輸出するときに茶箱の飾りでつけていた浮世絵で、いわば、お茶の包装紙みたいなものだったそうです。

 俗に「茶箱広重」(二代目歌川広重)といわれる花鳥風景画を見て“すごい!”となったそうですね。これがジャポニズムの起こりで、ゴッホやモネといった芸術家たちが奪い合うようにして浮世絵に飛びついたといいます。

「その浮世絵の何に驚いたんだ? 何が、そんなに珍しかったんだ?」

 この私の謎に、私の娘が絶妙なヒントをくれました。大学で美術系を専攻していた娘は私に、こう言いました。

「浮世絵には“意味”がない。意味がないからビックリした」

 海外の人が驚嘆したのは“浮世絵はまったく意味がない”ことだっていうんですね。なんで“意味がないこと”が、そんなに彼らを驚かせたのか。