■元テレ朝プロデューサーは「働き方改革も大きい」と指摘

 局アナのなかには、地上波での稼働があまりない人もいる。そういった人たちはBS番組やナレーションなどの分野で仕事をしているケースが多い。

 しかし、近年ではAI音声によるナレーションがテレビ各局でも普及しつつある。NHKでは2018年から導入されていたほか、最近では3月9日、TBSの『Nスタ』内で短いニュースをまとめて一気に紹介する『きょうのニュース#タグ』のコーナーで、ニュース原稿の一部がAI音声で読み上げられた。ちなみにTBSは25年11月、テキストを登録するだけでテレビ局クオリティの音声に変換できるAIナレーションシステム「音六(おとろく)AI」のサービス提供も開始している。

「この先、AIによって、局アナがナレーター業をする必要がなくなる可能性があるということですね。

 退社者が多いこと、フリーのアナウンサーの人材が充実していること、そしてAIの発達。こうしたことを理由に局アナの採用は減少すると見られ、1年に1人も採用しない局も出てくるのでは、とも言われていますよ」(前出の民放キー局関係者)

 元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏は、現在の局アナを取り巻く状況を、こう分析する。

「確かに近年では、局アナではなくフリーアナウンサーやタレントにやらせた方が良い仕事が増えているところはあります。理由の1つとしては、働き方改革も大きいですね。テレビ局は局アナに――つまり社員に過度な長時間労働をさせることができなくなったんです」(鎮目氏、以下同)

 人気の局アナは多忙なスケジュールをこなすことで知られる。早朝からの情報番組に毎日出演したり、遠方への取材に赴いたり、バラエティ番組ではスタジオでゲームをしたり……とにかくハードスケジュール。

「働き方改革によって、そういうことができなくなってきたんですよね。そうなってくると、局、番組サイドとしてもタレントやフリーアナの方が使いやすいんです。業務委託なので、勤務管理などをする必要もないですからね。

 それに、多忙を極めた結果、局アナが体調を崩してしまった場合、局は責められてしまう。療養のため長期休業になってしまっても、当然ながら簡単に辞めてもらうなんてできません。さまざまなリスクを考えると、局としては多少コストがかかっても、外部の人を業務委託で雇った方が“得”なんですよね」