誹謗中傷や犯罪予告など、インターネットで法に触れる投稿をしたユーザーに行なわれる“開示請求”。これまでSNSや掲示板、動画サイトなどがメインだった開示事情に変化が見られているという――。

「“開示”は正確には『発信者情報開示請求』といい、『情報流通プラットフォーム対処法』が根拠法です。ネット上の投稿によって権利(名誉、プライバシー、著作権など)を侵害された人や事業者らが、SNSの運営会社やネット回線の業者(プロバイダ)に対し、発信者の氏名や住所などの情報開示を求め、これで得た住所に法的手続きを進めていきます。

 従来はSNS運営側とプロバイダ側それぞれに裁判を起こす必要があり、特定までに多くの時間と費用を要しましたが、2022年の改正法でこれらを一括で審理できる『非訟手続(開示命令)』が新設され、手続きが大幅に迅速化されました」(全国紙社会部記者)

 この開示が現在、誹謗中傷や殺害予告をするネットユーザーではなく、いわゆる“違法ダウンロード”の一種であるファイル共有ソフトのユーザーに対して大量に行なわれているというのだ。

「総務省は昨年11月7日、ファイル共有ソフトの使用に注意喚起する特設ページを公開しました。それによると、総務省が実施したアンケート調査で、令和6年だけでプロバイダに申し立てられた開示請求は15万4484件。うち95%以上が、ファイル共有ソフトでアダルト動画を違法にダウンロードしていた案件だったと発表されました。

 問題になっているファイル共有ソフトは、利用者同士が直接ファイルを送り合う通信システムで、ダウンロードをすると、自動でアップロードもされる仕組みになっています。このことで、自らが“違法アップ主”にもなってしまうんです」(ITジャーナリスト)

 これについて当サイトが取材を進めたところ、ファイル共有ソフトを使って成人向け動画をダウンロードし、実際に開示請求を受けたという都内に住む40代男性のA氏と接触することができた。