■プロバイダから届いた一通の封筒 プロパイダから届いた「意見照会書」
成人向け映像作品収集家のA氏は、これまで実に1000本以上の動画を違法にダウンロード。そのほとんどはファイル共有ソフトを使ったものだ。
「好奇心と欲求で、気になるものを見つけてはダウンロードを繰り返してきました。違法なのは分かっていますが、無料なので出来心でつい使い、気づけば10年以上やっていました。“割れ(ダウンロードのこと)”行為が違法なのは認識していましたが、長期にわたって続けても何もなかったので、特に気にせず続けていました」(A氏、以下同)
しかし2024年上旬、A氏の元に「意見照会書」なる手紙が届く。内容は、2023年にダウンロードした作品について、“ビデオメーカー側からの開示請求に応じも良いか”その可否を問うものだった。
「契約しているプロバイダから、“あなたがアップした動画のメーカーが権利侵害を主張し、開示請求をしている”という書類が届きました。ファイル共有ソフトのユーザーがビデオメーカーから開示請求されているという話はネット上でも度々目にしていたのですが、自分にはずっと何もなかったので、まさか来るとは思っていませんでした。
初めて見たときは震えました。このままメーカーに自分の個人情報が開示されれば、最悪捕まったりとか、職場にもバレてしまうのかなと。民事でも損害賠償なんて払えませんし、弁護士をつけるような余裕もない。ただただ呆然と“どうしよう”という感じです」
ところが、A氏は今日に至るまで裁判を起こされず、警察沙汰にもなっていない。というのも、プロバイダーは無闇にユーザーの情報を明け渡せないため、開示請求には“限界”があるというのだ。
「匿名掲示板で開示請求された人が集まるスレッドに行き、“対策”をひたすら見漁りました。すると、プロバイダからの手紙というのは、あくまで“あなたの情報を開示するよう請求があったが、開示しても良いですか?”という意志確認の書類であることが分かったんです」
とA氏は言う。