■じっくり楽しめない『サバ缶、宇宙へ行く』
そして、北村匠海(28)主演の『サバ缶、宇宙へ行く』(フジテレビ系/月曜よる9時~)は、福井県の水産高校の生徒たちが、世代を超えて“宇宙食開発”という大きな夢に挑戦した奇跡のような実話をもとに、青春感たっぷりに描くオリジナルストーリー。北村は、若狭水産高校の教諭・朝野峻一を演じる。
学園モノのわりに、生徒が世代交代して入れ替わりが激しく、5月25日放送の第7話からは4期生がメインに。さすがに2~3話で卒業してしまっては慌ただしすぎて、視聴者は思い入れを抱きにくい。これがなによりの敗因だろう。原作があるから仕方ないが、せめて2期ぐらいに改変できていたら、印象は違ったのではないだろうか。
生徒ではなく周囲の大人たちで引っ張る手もあったが、教師・朝野(北村)とJAXA(宇宙航空研究開発機構)で働くエンジニア・木島(神木隆之介/33)もタッグを組むわけでなく、その絡みはあっさりめ。さらに、2人以外の大人たちはやたらにはしゃぐので、ますます生徒に目がいかないところもあった。
また、本作同様に生徒が世代交代した、23年放送の鈴木亮平(43)主演作『下剋上球児』(TBS系)のように、卒業生たちが現役生に寄り添うことに期待したが、1期生のメインキャラ・奈未(出口夏希/24)が教師として戻ってくるのは第7話からで、時すでに遅し。とはいえ、原作をむやみに変えるわけにいかず、失敗は必然だったのかもしれない。(ドラマライター・ヤマカワ)
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。