■「自分の役を吉岡里帆さんがやってくれたら嬉しい」――黒柳徹子のお墨付き

 今回、吉岡が黒柳を演じることになったのは、なんと黒柳本人からの指名。同映画を担当する高明希プロデューサーは5月20日、自身のXで《黒柳徹子さんご本人が「自分の役を吉岡里帆さんがやってくれたら嬉しい」と仰っていると聞いた時、689トリオ(※作詞:永六輔、作曲:中村八大、歌:坂本九の三人組)の物語で、主演ではないけれど、勇気をもらい、里帆ちゃんにオファーしに行けました》と、裏側を明かしている。

 黒柳を演じるにあたり吉岡は《一ファンとして感無量でしたし、緊張するけど絶対にやらなくてはと使命感に駆られました》とコメント。黒柳も《吉岡里帆さん! 私のことを、たくさん研究してくださって感謝してます。応援してますね》と、応援コメントを寄せている。

 本人のコメントにもあるように、吉岡は黒柳の大ファンで知られる。3年前の2023年6月29日に『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に初登場した際には、同年の正月に黒柳の演劇「手話狂言」を訪れたこと、開演前の黒柳の言葉が素晴らしかったことなどを絶賛。

 緊張感があった客席が、黒柳がしゃべり始めた瞬間になごやかになったことを「さすが徹子さん」「マジックを感じました」と伝え、黒柳を喜ばせていた。「手話狂言」とは、黒柳の発案で40年以上にわたり上演されている、日本の伝統芸能である狂言を「手話」で表現する演劇である。

 また、吉岡は東映太秦映画村で知られる京都市右京区太秦出身であること、祖母の影響から映画や演劇、歌舞伎、能、日本舞踊、落語などさまざまな芸術文化に触れて育ったが、この話も黒柳は楽しそうに聞いていた。

 吉岡は当時、同番組の出演をインスタグラムで告知する際に、《ずっと夢だった時間。チャーミングで可愛くて知的な徹子さん、お会いして更に大好きになりました。(略)忘れられない日になりました…徹子さんlove》と、徹子愛が溢れるコメントをしていた。

『徹子の部屋』でのトークを経て、黒柳は吉岡を気に入ったのだろう。25年には、黒柳MCの特番『トットちゃんの宝物』(NHK BS/11月1日放送)に吉岡がYOU(61)とゲスト出演し、長野・軽井沢にオープンした"黒柳徹子ミュージアム"を訪問。その帰りには、軽井沢の中国飯店でYouTubeチャンネル『徹子の気まぐれTV』の企画「大晩餐会」にも参加し、やはり黒柳と楽しそうにトークしていた。

 映画『正体』(24年)で「日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞」を受賞したり、現在放送中の『豊臣兄弟!』でNHK大河ドラマ初出演を果たしたりと、俳優業が絶好調の吉岡。ついに憧れの名女優を演じる機会までやってきたということか。

特撮・ドラマ・映画ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受け、平成ライダー、そして現在放送中の令和ライダーを筆頭に、特撮作品を愛するように。
特撮出身の俳優を追う過程で一般ドラマや映画の世界にも興味を抱くようになり、旬なドラマ・映画は欠かさずチェック。エキストラとして作品に参加し、阿部サダヲ藤原竜也など一流の俳優陣の生の芝居に衝撃を受けることもしばしば。吉岡里帆の出演作『正体』や『ハケンアニメ!』も鑑賞済み。