■英人の母も“未来を変えた代償”を払ったのか

 また、第6話で不穏さを増したのが、“未来を変える代償は命”というルールだ。春祭りで倒れた英人は、頭痛やめまいの経過観察で検査入院。そこで手に取ったSF小説『未来の記憶』には、《歴史を変えて成功を得た者は代償を支払う》という趣旨の一文があり、その行き着く先が“命”であることまで示されていた。

 だとすれば、このルールが適用されるのは英人だけに限らないはずだ。気になるのが、すでに亡くなっている英人の母・野本遥香(1人2役・宗清万里子/年齢非公開)の存在である。遥香は、夫の英治(小日向文世/72)の闘病中に急死したと語られており、その死をきっかけに英人はクリーニング店を継ぐことになった。

 もし遥香もまた、未来を変えようとした人物だったとすればどうか。英治が回復した陰で、遥香がなんらかの形で“死ぬはずだった夫の未来”を変え、その代償として命を落とした――そんな見方もできる。

 伏線らしきものもある。第2話で光誠が英人の部屋の本棚を見た際、そこにはタイムスリップもののSF小説がずらりと並んでいた。下町のクリーニング店の息子が暇つぶしとして読むには、いささか偏った選択だ。

 もしこれらが英人本人の蔵書ではなく、母・遥香が残した本だったとしたらどうか。未来改変や時間移動の仕組みを調べ、自分の状況を理解しようとした痕跡にも見えてくる。