■自転車を追い抜く際のルール

 ところが、制度の正しい理解が広まる前に“自転車はすぐ切符を切られる”というイメージだけが先行した。その余波は、同じ車道を走る車側にも及んでいる。

「今回の法改正では、青切符の導入と同時に、自動車が自転車を追い抜く際にもルールが定められました。安全に追い抜くために、目安として1メートルの幅を空ける。それができない場合は、20〜30キロに落とすという目安が示されたんです」(前出の疋田氏)

 青切符同様、このルールもまた誤解されているという。車は自転車を追い抜いてはいけないという誤解が広まるきっかけになった動画がある。

「パトカーが自転車を抜かずに後ろでのろのろ走る動画が出回って、大騒ぎになりました。おそらく若い巡査が運転していて、過度に慎重になってしまったのでしょう。法律自体は“安全な距離で、安全な速度”であればOKということになっていますから、大騒ぎするような話ではありません」(前同)

 とはいえ、住宅街や商店街などの細い道では自転車を追い抜けず、車が低速走行を強いられる場面もある。その苛立ちが、冒頭のような“煽り行為”につながっている可能性もある。青切符は、ある意味不当な正義の後ろ盾になってしまったのだが、中には悪用するケースもある。

「警察官を装った人物が自転車の違反を指摘し、“反則金を払え”という詐欺事件が実際に起きています。たった数千円を取るために、詐欺罪に加えて官名詐称もついてしまう。そんなリスクを冒すのかと、呆れ返ってしまいました」(同)

 当然ながら、青切符の反則金を警察官にその場で支払うことはない。路上で「反則金を払え」と言われた場合は、まず詐欺を疑うべきだ。