貴乃花と養老孟司氏の特別対談第5弾。失われつつある「ニッポンの文化」を改めて考える!

貴乃花 世界には共通の文化がありますよね。それに、これは私の持論ですけど、国に文化力がなくなってくると、戦争が起こりやすくなると思っている。

 文化というのは、その国の人が先祖代々、大切にしてきたものじゃないですか。ご飯の食べ方一つを取っても、その国の文化がありますから、そのへんのことを削り合って、うちの国の文化のほうが正しいんだっていう思考が蔓延すると、戦争が起きてしまうんじゃないのかなと思うんです。

養老孟司氏(以下=養老) 世界の文化に共通の面があるというのは、まさに、その通りだと思います。そして、世界から、その共通している何かがなくなってきている。

 だから、今、日本のインバウンドが増えているんじゃないでしょうか。まだ、ここには残っているぞ、と。海外の人が、自分たちが、かつて知っていたものが日本には残っていると感じている。

 

――養老先生の著書には、昔の日本の子供は幸せに見えたという話がありますが。

養老 単純なことで、自然のまま、ありのままでいいってことです。人間社会に、それを当てはめると、子供は自然なものでしょう。

 だから、昔の日本は子供を大事にした。それで、幕末から明治の初めに来た西洋人が、日本の子供は幸せそうにしているなって気づいたんです。

 だけど、日本も変わっちゃって、今は児童の自殺が増えている。変な社会だなと思いますね。なぜ、子供が死ななければいけないんだと。