■公式配信を望む声もあるが…「非常にハードルがあるのが現実」
──仮に禁止する場合はどれくらいの期間を想定しているのでしょうか。
「Xにも書きました通り、撮影を禁止することによる影響はやはり非常に大きいということで、慎重に検討中です。収益目的を排除したいがために、全て撮影禁止にするのは、本当に個人的に楽しんでいる方にとってはあまりにも負担が大きいのではないのかなと思っています。禁止を告知してから実際に禁止するまでの期間というのも、影響を和らげるために考えなければならない1つのポイントだと思っています」
──パンチくんにはファンも多く、撮影禁止で近影が見られなくなるのは寂しいという意見や、禁止にするなら園の公式SNSやYouTubeで動画をアップしてほしいという声もあります。すでに市川市の公式YouTubeでは飼育日記も公開していますが、上記の要望に応え、禁止の際にはパンチくんに関する発信を園側で行うことは考えていますか?
「そうした撮影をするとなると、いわゆる人・モノ・カネ、動物園の運営資源を振り分けなくてはいけません。特に1番課題になるのは人だと思っています。飼育員は動物のために時間を割くのが、“動物ファースト”を掲げる我々の第1のミッションだと思っています。そこに、毎日撮影をするから猿山に張り付くとか、撮影専門スタッフの人件費を使うのかとか、公式に撮影するということ自体に非常にハードルがあるのが現実です。
皆さんが撮影できなくなることに対し、何か対応するということはもちろんあり得ますが、現時点で、すぐ準備が整って明日から配信しますというような状況ではないのかなと、運営責任者としては思っています」
──やはり、対策とはいえ来園者の撮影を禁止するのは心苦しいのでしょうか。
「パンチを個人的に楽しみたいという方は多く、海外から計画をされてお越しになる方も当然いらっしゃるでしょう。そういった方々に対して、“ウチの方針が変わりました、明日から撮影禁止です”ということを言えるのかどうか。
先ほど申し上げた通り、禁止すれば影響は大きいので、対応をきちんと考えた上で、禁止なら禁止に踏み切る、踏み切らないなら踏み切らない、そういった結論を出していかなければいけないという風に思っています」
安永氏は最後に、「我々がどのように決断・実行していくかというところが、今問われているんだと思っています」とも語っている。
今後、どのような対策をするかは喫緊の課題だろう。