■浮上する内部犯と商店街側犯行の両説
つまり、商店街買収が消えてしまえば、光誠は商店街側の人間からもNEOXIS側の人間からも、決定的な恨みを買わないことになるのだ。そうなると物語は光誠があの階段から突き落とされるシーンまでたどり着かないことになる。
もちろん、別の敷地を用意して銀行買収を進める展開も考えられる。前世の世界では、あかり商店街買収を強行した光誠によって、池谷金平(柳沢慎吾/64)は追い詰められ、最終的には命を落とすのだが、仮に別の敷地で銀行買収が進むなら、金平の死は回避される可能性が高く、商店街側の人間が光誠を階段から突き落とすほどの恨みを抱く理由も薄くなる。
一方で、銀行買収そのものが成立すれば、買収後に銀行の負債が発覚し、財部や土屋が光誠から責任を問われる流れは残る。つまり別の敷地を使った場合、商店街側の恨みは弱まるが、NEOXIS内部の犯行説はむしろ濃くなるのだ。
そう考えると、銀行買収がないことにはこの後の物語は動かない。
その意味で、NEOXIS内部の財部(関)や土屋(阿部)は、やはり突き落とし犯の有力候補だ。
一方で、商店街側の人間の犯行説も消えていない。公式HPを見てみると第8話の予告でも、NEOXISの卑劣な手段で商店街が追い込まれ、金平を悲劇が襲う気配が漂う。もし同じ悲劇が繰り返されれば、娘の更紗(中村)が光誠を恨む動機は一気に強まる。
さらに第6話のラストで映し出された突き落とし犯のシルエットには、手や髪の印象から《更紗ちゃんぽい》《髪が長く見えた》《手が女性なんだよな》といった声も上がっている。
NEOXIS側なら財部か土屋、商店街側なら更紗。あかり商店街買収計画が進むほど、それぞれが光誠を恨む理由も濃くなっていく。突き落とし犯は誰なのか――第8話以降、物語はいよいよ核心へ向かいそうだ。
ドラマライター・ジュン
幼少期から映画を観ることが好きで、物語そのものの面白さはもちろん、「この作品はどうやって作られているのか」という裏側にも強く惹かれてきた。過去にはドラマや映画のロケーションコーディネーターとして現場に携わり、ロケ地選びや撮影準備などを通して、作品作りのリアルを肌で学んだ。そうした経験を重ねるなかで、俳優の芝居、演出、脚本、美術といったさまざまな要素が積み重なり、ひとつの映像作品として立ち上がっていく瞬間に、ますます心を奪われるように。いまは旬のドラマや映画を欠かさずチェックしつつ、張り巡らされた伏線や演出意図を読み解きながら、物語の核心やその先の展開に思いを巡らせる時間を何より楽しみにしている。