■マンジャロに潜むリスク…産婦人科専門医は「命に関わる副作用」
まず、近年SNSなどで耳にするようになった「マンジャロ」を使ったダイエットの実態について。
「2型糖尿病治療薬である『マンジャロ』をダイエット目的で使用する、というのは、美容目的で適応外使用することになります。なかには糖尿病ではない(適応ではない)けれど肥満で、予防目的の減量のために使用する、という方もおられると思いますが、肥満体型でもなく本来はダイエットの必要もない方も美容目的に使用しているのが現状です」(稲葉可奈子氏=以下同)
稲葉氏は、大きな問題として「適応外の目的に多く使用されることにより、本当に必要とする糖尿病患者への供給が不足する可能性がある」ことに言及したうえで、使用者が抱えることになるリスクを指摘する。
「“そんなの知ったこっちゃない、自分が痩せられればそれでいい”と思う方もおられるかもしれません。ですが、使用している人自身にもリスクがあります。
マンジャロは糖尿病治療薬としては有効ですが、急性膵炎、胆嚢炎、腸閉塞、激しい嘔吐による食道裂傷など、命に関わる副作用のリスクがあります。また、脂肪だけでなく筋肉量が激減するため基礎代謝が落ち、薬をやめた後に以前より太りやすい体質になることもあります」
適応外使用で副作用が出た場合、どうなるのか。
「どんな薬にもなんらかの副作用のリスクはありますが、適応外使用の場合は、重篤な副作用が出ても国の『医薬品副作用被害救済制度』の対象にならず、すべて自己責任(副作用に対する医療費も自己負担)となります。使用している方、すすめる方は、リスクは百も承知と仰るかもしれませんが、“わたしは大丈夫だった”という経験談はたまたまその人が大丈夫だっただけでなんの根拠にもなりませんし、重大な副作用が出てもすすめる人(サイト、会社)は責任をとってはくれません」