■住民税や所得税以外にも、家計の負担となる項目が…

 こう嘆く長村さん。そんな長村さんの給料からは住民税や所得税以外にも大きく差し引かれる項目があるという。

「住宅ローンです。自宅を購入したのは30歳のとき。35年の住宅ローンを組み毎月6万円の支払いを続けてきました。ローンの支払いは順調に続いていますが、それでも4年分の支払いが残っています。2人いる娘は東京の大学に進学したので学費や仕送りもありました。そのためローンの繰上返済はしてこなかった。老後の資金も必要なので退職金には手をつけたくないというのが本音です」

 住宅ローンが差し引かれた後に長村さんの口座に残る毎月の給料は14万円ほど。現役時代と比べると大幅に減っている。長村さんがこう呟く。

「継続雇用になった瞬間にここまで手取りの収入が減ると知っていたら、現役時代にもっと節約して住宅ローンを繰上返済していました。将来に向けた準備が甘かった……」

 今では定年退職後に多くの企業で導入されている継続雇用制度。退職後のお金と税金に関する問題を税理士法人アクシア代表社員で、公認会計士・税理士、CFP資格(日本やアメリカなど世界各国・地域で認定されている国際的なファイナンシャル・プランナーの最上位資格)を持つ宮岡秀峰氏が解説する。