「ローンの支払いは終わったのに……」
こう漏らすのは、ある地方都市で妻と2人で暮らす富田博一さん(73・男性)だ。35歳のときに4000万円で購入した一軒家。そのローンはすでに払い終えている。悠々自適な退職生活を満喫しているかと思われた富田さんだが、どうやらそうではないようだ。今回は老後の暮らしと一軒家の修繕にかかる費用との関係をお金の専門家と共に検証する。
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富田さんが2階建ての一軒家を購入したのは35歳のときのこと。当初は“夢のマイホーム”を遂に購入したとあり、大喜びしたという。それから38年、2人いた息子は立派に成長し今では地元を離れている。現在では2人の孫にも恵まれているという富田さん。
目下の悩みは築35年を超えたマイホームの修繕費用だという。
富田さんが初めて自宅のリフォームを行なったのは15年ほど前のこと。それから月日を重ねるごとに修繕費用も修繕箇所もどんどん増えていったという。3年前には長きにわたり自宅で活躍してきた国産メーカーのお風呂が寿命を迎えた。この際、富田さんはリフォーム業者からこんな提案を受けたそうだ。
「屋根の外壁塗装や水回り、配管などの内部改修全てを1000万円で提案されたのです。しかし、息子は2人とも独立していますし、この家を継ぐ人は誰もいない……。“自分もあと何年生きられるかわからないのに、そんな大金を家にかける意味があるのか……”そう考えて、思い止まりました。当然、老後の資金もあるので、風呂の交換に必要な150万円だけを支払い、提案を断りました」
業者の提案を受け入れては自宅の修繕費だけでお金が湯水のごとく消えていく。そんな危機感を覚えた富田さん。お金ばかりが必要な“負”動産へと化けたかつての“夢のマイホーム”。73歳になった今、快適な老後生活を送るべく自宅のリフォームに富田さんは再度着手するべきなのか。
長年住んだマイホームでの生活とお金の関係を税理士法人アクシア代表社員で、公認会計士・税理士、CFP資格(日本やアメリカなど世界各国・地域で認定されている国際的なファイナンシャル・プランナーの最上位資格)を持つ宮岡秀峰氏が解説する。